このアコースティックヘルスでは、「医者に頼らず、メディアに惑わされず」をモットーに人間本来が備えている「病気にならない力」について考えていきます。私も一生懸命勉強していますが間違える事も多くあります。その時はご指導、アドバイスまたは反論(反証)を頂けたら幸いです。皆さんの意見を伺いながら共に成長出来たら嬉しいです。
前回は、人と香りの歩みの歴史クレオパトラ編についてご説明させて頂きました。今回は治療法として研究が始まった古代~中世にかけて深めたいと思います。
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香りをこれまでの宗教や呪術のオカルトから切り離し、医療的視点から香りによる治療の観察を始めたのが、かの有名なヒポクラテスです。主に、芳香植物を生のまま、もしくは乾燥させ、燻蒸し自然治癒力を高め治療する方法が用意られました。実際、様々な病を治療してゆき「医学の父」と呼ばれるに至ります。彼の治療法は、「ヒポクラテス全集」で伺い知ることが出来ます。ヒポクラテスにはこんな名言があります。
「自然から遠ざかると病が近づく」
「人間の体にはもともと100人の医者がいる」
「病気は人間自らの治癒力で直し、医者はそれを手助けするだけでいい」
「満腹が原因の病気は空腹が治す」等など。
現代は、これだけ医療が進んでいるのに、病人が増えている事を考えると深みを感じますよね。(まぁ病気でないのに病気扱いされている人も大勢いますが・・・)
それから、「テオフラストス」が植物を科学的に分類し、500種類記載した植物誌を作り、それらの知識を基に、軍事医療に使ったのが暴君ネロの軍医である「ディオスコリデス」です。彼のすごいところは600種の植物の効果を実際に使用、観察し、効能、調合、生育地を本にまとめたところにあります。植物薬学の重要な古典として広く利用され、写本されながら受け継がれていきました。その中の一つがウィーン写本です。
8世紀頃、アラビア医学によりアルコールが発明され、ヨーロッパの人々が蒸留法を学び、オーデコロンや、薬酒を作り出します。蒸留法のおかげで中世ヨーロッパで大流行した黒死病(ペスト)の感染予防にも成功しました。面白い事に、黒死病予防に作られたお酢があります。それは黒死病患者の亡骸から金品を奪っていた盗賊が作ったので、「盗賊のビネガー」と呼ばれています。ちなみに飲むのではなく塗ります。
ここまでお読み頂けたらお分かりの通り、元々は薬は飲む物では無く、塗る・嗅ぐ物でした。今はうつ、飲むが主流ですが、それが医原病の始まりでしょう。人間の体にはもともと100人の医者がいて、自分の治癒力でほとんど直すことが出来ると考えたヒポクラテスの正しい教えは、お金と利権によって消滅しました。
最後に「盗賊のビネガー」のレシピを載せて今回は終わります。
名:盗賊のビネガー
白ワインビネガー20ml
水40ml
ブラックペッパー精油2滴
ペパーミント精油2滴
ラベンダー精油2滴
ローズマリー精油2滴
次回も皆様の健康で豊かな生活を願い、書いていきます。