京の桜のスペシャル企画!
と称して、桜の時期に京都の穴場的な桜の名所である洛西大原野3ヶ所の神社仏閣を訪ねました。
これら3ヶ所の桜はどれも非常に素晴らしく、かつ徒歩で回れる近い距離にあるのでまさに一粒で三度おいしいのですが、交通が不便なところにあるため穴場的な存在なのです。
しかも、3か所の桜が満開になる時期が微妙に違うため、一度で同時に満開の桜を見ることは困難です。
でも僕は地元民なので2回に分けて訪ねて、いずれも素晴らしい桜を見ることが出来ました。
今回、素晴らしいながらもそれぞれ趣の異なる、知られざる京の桜たちを3記事に分けて紹介してゆきます!
大原野(おおはらの)は京都盆地の西の端、その名も洛西のさらに端っこです。
大原野は三千院のある大原とは違う場所です。
京都盆地の縁(へり)ですね。
ブラタモリでタモリさんが「京都は縁がいい」と天龍寺庭園を見ながら言っていましたがまさにそうで、このあたりも素晴らしいところです。
この大原野に、桜が美しい3つの神社仏閣があります。
大原野神社、正法寺、そして今回紹介する勝持寺(しょうじじ)です。
これらは徒歩で10分以内の距離にあります。
この大原野への公共の交通手段はあまり便利ではありません。
JR京都線(東海道線)向日町駅、あるいは阪急電車京都線東向日駅から、南春日町行きの阪急バスに乗り約20分、南春日町バス停下車後、徒歩10~20分程度です。
しかし、バス停からしばらく歩かないといけない上にバスは1時間に1本程度しかありません。
なのでここは穴場的な存在で、その素晴らしさの割には訪れる人は少ないのです。
そこで、京都市観光協会はこの大原野がある西京を穴場として「とっておきの京都プロジェクト」という特設サイトを作ってPRしています。
まぁそのサイトには僕も投稿していて、このALISの記事の写真を流用しているんですけどねw(僕は観光関係の仕事ではありません)。
ここは公共交通機関だと不便ですが、車だと各寺社の駐車場に停めることができるので便利。多くの参拝者は車で来ています。
僕もマイカーで行きました。
今回紹介する勝持寺(しょうじじ)は、花の寺とも呼ばれます。
その名の通り、特に桜は素晴らしく「西行桜(さいぎょうざくら)」が有名なのです。
この時期、この西行桜が満開とのことですので、見に行きましょう!
勝持寺へは車をお寺の駐車場に停めるとスグなのですが、ここは雰囲気を味わうために参道を歩きます。
大原野神社の横から参道が始まります。
仁王門。
ここから勝持寺の参道がスタート。
木々に囲まれて雰囲気がありますね。上には桜が咲いています。
この仁王門は応仁の乱でも焼けずに残った、勝持寺で一番古い建造物。
ここに安置されていた仁王像(金剛力士像)は重要文化財で、現在は瑠璃光殿という宝物庫で見ることができます。
では、仁王門をくぐって参道を進みます。
参道には竹が植えられ木漏れ日が差し、とても良い雰囲気。
右下は落ち椿で真っ赤で、これもまた春の素敵なひとコマを感じさせてくれます。
この参道の坂を10分ほど上ると勝持寺に到着。
坂道はちょっとしんどくて、みなさんハァハァ言ってます。
勝持寺東門。
うわー、桜が満開ですね。
さすがに参拝者は結構いましたが、この写真のように人が写り込まずに写真が撮れる程度です。
では、境内に入りましょう。
まずはメインの建物、阿弥陀堂で手を合わせます。
天気が良く、桜が美しいです。
阿弥陀堂の前には、立派な狛犬さん。
そして、勝持寺庭園へ。ここは庭園のうちで桜ヶ丘と呼ばれる場所。
おお、一面に桜が咲いていますねー。
勝持寺のお庭はちょっとした広場のようになっていて、自由に散策できます。
ここには石塁(石垣)が見られます。
お城の城壁のようですがそうではなく、室町時代(15世紀後半)には寺院でも区画施設としての石塁があったそうです。
桜に近づきましょう。
見事なピンク色でとても春らしいです。
春爛漫ですねー。
こちらは不動堂。
このお堂の中ではなくて、裏手に不動明王がおられます。
裏に回ってみます。
石不動明王。
不動堂裏手の岩窟に安置されていました。
不動堂の向かいには勝持寺一番の名物、西行桜が。
鐘楼と西行桜がいいコンビネーションですが、ちょっと桜がわかりにくいので近寄ってみましょう。
下から見上げると、圧巻の西行桜!
満開で、その存在感にただただ圧倒されます。
この西行桜とは…、
鳥羽上皇に仕えていた北面の士 佐藤藤兵衛義清が、保延6年(西暦1140年)当寺に於て出家し西行と名を改めて庵を結び、一株の桜を植えて吟愛しておりました。
世人はその桜を西行桜と称し、寺を花の寺と呼ぶようになりました。
(勝持寺オフィシャルサイト)
現在の西行桜は三代目とのこと。
そして、西行法師とは平安末期~鎌倉初期の有名な歌人・僧侶です。
いちばん有名なのは、小倉百人一首86番の作者であることかな。
百人一首86番「嘆けとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな」
(嘆けと月はわたしに物思いさせるのか。 いやそうではなく(本当は恋の悩みのためなのに)月のせいとばかりに流れる私の涙なのだよ)
(西行法師が)後世に与えた影響は極めて大きい。後鳥羽院をはじめとして、宗祇、芭蕉にいたるまでその流れは尽きない。
特に室町時代以降、単に歌人としてのみではなく、旅の中にある人間として、あるいは歌と仏道という二つの道を歩んだ人間としての西行が尊崇されていたことは注意が必要である。
(Wikipedia 西行)
桜だけではなく、池には落椿も。
とても風流な春の景色です。
さすが、勝持寺は花の寺とも呼ばれるだけのことがありますね。
桜の時期だけではなく紅葉も美しいそうです。
しだれ桜のバックにはソメイヨシノ。桜同士のコントラストも素敵です。
勝持寺には数種類、100本もの桜が植えられているとのこと。
勝持寺は京都の端の山を少し上ったところにあるので、桜の視界の向こうには京都市街が見えます。
春の穏やかな青い空と京都市街と西山を借景にしたこの庭園の桜風景は、別世界のような素晴らしいものがありました。
名残惜しいのですが、そろそろ勝持寺を去って次に行きましょう。
京都大原野の素晴らしい桜の光景はさらに続きます。
Camera: LUMIX G8
Lenses: LUMIX 12-32mm F3.5-5.6, 25mm F1.7, 45-150mm F4-5.6
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