世界的に規制緩和の傾向にある大麻ですが、近年、日本においても医療用大麻の輸入、製造、使用が解禁されるなど、これまでの在り方の見直しが行われています。
今後、世界的に大麻の産業的な価値が大きくなるにつれ、ビジネスとしての価値も大きくなってくる分野でもあります。
今回はそんな大麻に関して注目されている海外のニュースを一つ紹介していこうと思います。
参考記事)
・Scientists Find Cannabis Compound Inside a Totally Different Plant(2023/06/16)
・Planta nativa brasileira produz canabidiol sem associação com substâncias alucinógenas(2023/06/13)
リオデジャネイロ連邦大学(UFRJ)は、ブラジルの在来種であるトレマという植物から大麻の成分を発見したことを発表しました。
研究の第一人者ロドリゴ・モウラ氏はAFPの取材に対し、「南米の国土の大部分に生育し、雑草とみなされることも多い低木であるトレマ(Trema micrantha blume)という植物の実と花からCBDを発見した」と述べています。
大麻の成分の一つであるCBD(カンナビジオール)は、主に鎮静成分をもつ化合物です。
化学分析の結果、“トレマ”にはCBDが含まれているがTHCはほとんど含まれていないことも分かっており、大麻以外の植物から大麻同様の鎮静効果を得ることが可能だということが判明しました。
研究はまだ詳細な結果を公表していませんが、今後は研究の規模を拡大し、トレマからCBDを抽出する最適な方法を特定し、現在医療用大麻で治療を受けている症状の患者に対する有効性を分析する予定だと研究者は述べています。
チームはブラジル政府から50万レアル(10万4,000米ドル)の助成金を獲得しました。
市場分析会社Vantage Market Research社の昨年の調査では、CBDの世界市場は約50億米ドルと推定されています。
今後、主に健康とウェルネスの用途拡大によって、2028年までに470億米ドル以上に成長すると予測され、国を挙げてこの研究に期待していることが分かります。
この記事は、Science alertの掲載記事からまとめています。
日本においては、リラックス作用をもたらす成分として手軽に手に入れることができる成分でもあります。
てんかんや慢性疼痛、不安などの治療に使われることが多くなっている物質でもあります。
国内で規制されているのは大麻の成分は、人を陶酔させたり多幸感を覚えるなどの作用があるTHC(テトラヒドロカンナビノール)です。
関連記事に大麻に関するまとめ記事を載せておくので、気になった項目があれば覗いてみてください。