ザミャーチン(一八八四―一九三七)の代表作で,一九二○年代初期の作。ロシアの政治体制がこのまま進行し、西欧のテクノロジーがこれに加わったらどうなるかという未来図絵を描いてみせた、アンチ・ユートピア小説です。
ディストピア文学としては、オーウェルの『1984』の方がはるかに有名ですが、社会主義体制の旧ソ連では、発禁処分を受けた本で、作者のザミャーチンはフランスに亡命しています。1921年ごろに完成したもの本国ロシアでは1988年にやっと出版されたという、ディストピア小説です。
時は26世紀、ものの所有を禁止され、名前の代わりに番号で呼ばれる世界。人々は生活が同一のスケジュールで管理され、みんな平等。社会システム、芸術、単一国が最高という定義です。主人公は宇宙ロケット<インテグラル>の製作担当官D-503号で、彼にはO‐九〇号という恋人がいます。性行為は数日に一度、ピンク色のクーポンを支給され、彼女が来て行為が許されています。ただし彼女は別の日には別の男が彼女とクーポンを使う決まりです。
主人公の前に、別の女性がI‐三三〇号が現れる。法律違反の飲酒・喫煙、彼女は主人公を翻弄し、絶対の単一国への反抗活動へと誘います。手記の記述は動揺を帯びていきます。
この小説で描かれている国家って、現代の日本では?と、感じて記事にしました。
電車でみんな同じようにスマホ見ているし。
ピンクチケットで性行為は風俗店ですね。
「彼女は別の日には別の男が彼女とクーポンを使う決まり」とは現代の自由恋愛
単一国家が素晴らしいとは、GAFAMですね。
中国が日本を追い越したと報道されていますが、ザミャーチンの世界での価値観に近づいているので、それが本当に人民にとって幸せなのか疑問に感じました。
<この項、了>