真偽が重要視される高価な宝飾品のひとつであるダイヤモンドと、ブロックチェーンによる管理は有効な組み合わせであると言われてきましたが、ついに、ダイヤモンド世界最大手のデビアスが実験を成功させたそうです。
プレスリリースによると、業界の主要5メーカーが共同開発したこのプラットフォームは「Tracr」と呼ばれ、今年後半には運用が開始されるようで、業界に開放するそうです。昨今のオープンソース化の波は、デビアスにも及んでいるんですね。自社だけでなく、業界内での信頼性全体の向上、ダイヤモンドバリューチェーン全体の効率向上を進めるというビジョンは素晴らしいと思います。
(記事引用)
Tracrは、カラット、クラリティ、カラーといった個々のダイヤモンドの特性を記録する固有の「グローバル・ダイヤモンドID」を割り当てる。そしてこのデータは不変のデジタル台帳に集約される。その後鉱山から小売業者へのダイヤモンドの移動の各チェックポイントで、Tracrはこのデータを検証する。
背景として、実はダイヤモンド業界では以前から「紛争ダイヤモンド*」が国際社会の問題となっていて、業界では取引の対象外とするよう求められていました。
*紛争ダイヤモンドとは:
内戦地域で産出されるダイヤモンドのうち、紛争当事者の資金源となっているものが俗に紛争ダイヤモンドと呼ばれる。内戦、紛争の長期化を防ぐため、内戦当事者に外貨が流入しないよう取引の対象外にするように求められている。
この紛争ダイヤモンドの流通を防ぐために、デビアスは、「ブロックチェーン技術の活用を検討する」と今年の1月に発表しており、今回のリリースはその実証実験に成功したということを意味します。高価なダイヤモンドの産地や他記録を適切・確実に保全するだけでなく、国際社会の大きな問題を解決する手段としてもブロックチェーンが有効活用され始めてきています。
デビアスのような伝統ある大企業が、この技術を活かして社会問題を解決に近づけるというのは、非常に意義のあることだと思います。
素晴らしい事例ですね!今後もどんどん増えていくことでしょうし、期待したいです。
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