NHK大河ドラマ『どうする家康』第6回「続・瀬名奪還作戦」が2023年2月12日に放送されました。前回の奪還作戦が失敗した本多正信と服部半蔵は新たに今川家の重臣を生き取りにして人質交換する方針を立てます。史実として伝わっている奪還作戦は、この人質交換です。前回の失敗を踏まえて新たな作戦を立てます。歴史は成功した話ばかりが残りがちですが、Try & Errorで進めることは現実味があります。
正信は伊賀忍者だけでは心許ないと、甲賀忍者を呼び寄せます。史実の上之郷城攻めは甲賀忍者が活躍しました。正信と半蔵の活躍が創作ですが、史実を無視しているようで結構押さえています。
瀬名一家への今川家の扱いは過酷です。築山殿は岡崎に移った後も今川シンパ、反織田のイメージがあり、それが築山殿事件の背景としても語られます。しかし、『どうする家康』の今川家の扱いを受けたならば反今川になりそうです。
人質交換の交渉は「正信に任せられるか」と石川数正が行います。上手く史実に沿った流れにしました。松平家中の中で服部衆の株は上がりましたが、正信は詐欺師イメージのままで知謀は伝わりません。
人質交換の交渉はすんなり進みません。今川氏真は現代風に言えば「テロリストとは交渉しない」という気持ちなのでしょう。瀬名の母の巴と氏真のやり取りがドラマです。巴はドラマでは「今川家につながる出自の高貴な女性」との設定です。今川義元の妹や伯母との説があります。謀反人に連座したとはいえ、氏真が非道な扱いをできるものでしょうか。
巴は瀬名に「あなたが命を懸ける時がいずれ必ずきます」と言います。築山殿事件を意味のある自己犠牲と描くのでしょうか。築山殿は家康に信康の助命を求めるために岡崎から浜松に向かおうとして家臣に殺害されたとの説があります。命を懸けた行動ですが、結果は無惨です。
『どうする家康』主演の松本潤さんは冤罪に取り組むドラマ『99.9-刑事専門弁護士-』も主演しました。築山殿事件は冤罪の悲劇になるでしょうか。『鎌倉殿の13人』のような鬱展開になりそうです。
『どうする家康』第5回「瀬名奪還作戦」本多正信と服部半蔵
『どうする家康』第4回「清須でどうする!」広過ぎる清須城
『どうする家康』第3回「三河平定戦」国のために捨てる非情
『どうする家康』第2回「兎と狼」松平一族からだまし討ち
『どうする家康』第1回「どうする桶狭間」卯年らしく兎の木彫りと白兎