NHK大河ドラマ『麒麟がくる』は2020年5月31日、第二十回「家康への文」を放送しました。明智光秀(長谷川博己)は朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)に仕官しようとします。ところが、義景は蹴鞠に興じており、日を改めて出直すようにと言われます。光秀は「何が蹴鞠だ」と言い、怒ります。表立っては誰にも言えない話ですが、ゴルフに興じて仕事をしない重役に腹を立てるビジネスパーソンの共感を集めそうな展開です。
光秀が義景を見限った瞬間です。多くの時代劇で今川義元は公家風に描かれますが、『麒麟がくる』では普通です。その分、バカ殿要素が義景に集中した感があります。
後に光秀は織田信長の家臣として朝倉攻めに参加します。朝倉から見れば恩を仇で返すことになりますが、光秀にとって大名は厳しい評価の対象なのでしょう。ボロ家でも家を手配してくれたことを一生の恩に感じるという昭和的な情緒はありません。
光秀は斎藤高政(伊藤英明)も見限りました。ドライな評価姿勢はブラック企業を否定し、ホワイト企業を評価する現代ビジネスパーソンの感覚に近いものがあります。本能寺の変の動機をどのように描くか楽しみです。
蹴鞠は当時の教養人の社交とする見方があります。光秀は越前での生活で京都流の教養を身に付けたと描かれることもあります。蹴鞠に腹を立てる『麒麟がくる』の光秀は、その種の見方を真っ向から否定します。光秀は既得権益の改革者として描かれそうです。ゴルフや宴会を重要なコミュニケーションの場とする昭和の感覚に反感を覚える改革志向の民間感覚を持った人々には痛快です。
『麒麟がくる』は下剋上の代表格の松永久秀(吉田鋼太郎)も好意的に描いています。久秀は権威に胡座をかく室町幕府の連中を批判しました。後に信長は足利義昭を追放して室町幕府を終わらせます。光秀がノリノリで義昭の追放を進めるかもしれません。
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