AppWorksがAI・ブロックチェーンのスタートアップ支援をおこなうようですよ！

ブロックチェーン・仮想通貨のマーケットが発展していくためには、さまざまな環境整備が必要ですよね。

これまでの記事にも書いてきましたが、「産官学」の協力のもと、法制度の整備や基礎研究の進展、企業間の連携など、さまざまな動きが展開されていくことが大切だなと感じます。

そうした動きのなかで、ブロックチェーン・仮想通貨にかかわるスタートアップをどのようにサポートし、育てていくのかということも、市場発展のためには重要な要素だと思います。

台湾でもスタートアップ支援の動きは多様に展開されていますが、そのなかでもスタートアップアクセラレーターとして実績のあるAppWorksが、ブロックチェーンとAIにかかわるスタートアップ支援に乗り出すという情報を目にしましたので、少し書き留めておきたいと思います。

もくじ

・AppWorksによるスタートアップ支援

・これまでにAppWorksが支援してきたスタートアップ

・2020年までに達成すべき目標のために…

AppWorksによるスタートアップ支援

台湾のスタートアップアクセラレーター（創業加速器）として実績のあるAppWorksは、2018年5月30日に公式ウェブサイトを通じて、今年8月以降の第17期メンバーの募集を始めたことを明らかにしました。

AppWorksのアクセラレータープログラムはIT企業を中心に、これまでの8年間に300を超えるメンバーを輩出していますが、今期のメンバーは台湾および東南アジア地域のAIおよびブロックチェーンに関するスタートアップに限定し、30のスタートアップへの支援を考えているとのことです。

スタートアップ企業にとっては、このプログラムを受けることによってAppWorksが持つ人的ネットワークを活用することができるとアナウンスしています。

具体的には、以下の６点が挙げられています。

１．與國際一流 AI / Blockchain 新創一起創業（国際的に一流のAI/ブロックチェーンスタートアップとの起業）

２．獲得 AppWorks Mentor 的一對一輔導（AppWorksMentorの一対一の指導獲得）

３．站上 300 家校友企業的肩膀（300のメンバー企業の肩に立つ）

４．AppWorks Masters 的專業輔導（AppWorksMastersの専門指導）

５．與頂尖學術、企業機構交流（先端的な学術・企業組織との交流）

６．價值超過 10 萬美元的實驗資源（10万米ドルを超える価値を持つ実験資源）

いろいろと注目されるところがありますが、たとえば、スタートアップに関する記事を配信しているネットメディアの「Meet」の記事によれば、「AppWorks Mentor」の一員である経験豊富な経営者のなかには、AI研究を進める「AI Labs」の杜奕瑾さんや、分散型ソーシャルネットワークの構築を目指している「Mithril」を立ち上げた黄立成さんが含まれています。

（AI Labsについてはこちらの記事で、「Mithril」についてはこちらの記事にまとめました）

そのほか、「AppWorksMasterTeam」という法務や財務、広報などの専門家からなるチームの助言、300のアクセラレーターメンバーの協力、各種研究機関の利用、AmazonWebServices、MicrosoftAzure、GoogleCloudPlatformなどAppWoeksの協賛企業における10万米ドル相当の研究支援獲得のチャンスなど、スタートアップにとってなかなか恵まれた環境が提供されるようです。

AppWorksのこれまでの実績が、こうした支援を可能にしているのかなと感じますね。

これまでにAppWorksが支援してきたスタートアップ

AppWorksがスタートアップの支援を開始したのは2010年で、これまでに300を超えるスタートアップが支援を受けてきました。詳細については、「イノベーション創造を加速するメディア」を掲げている「addlight journal」のこちらの記事が、日本語で読める詳しい紹介となっています。

先に挙げたAppWorksのプレスリリースによると、これまでに支援してきたスタートアップのうち、AIに関する企業としては、台湾最大のホテルサイト「AsiaYo」や、Chatbotを利用してSNSを通じてタクシーの配車ができる「TaxiGo」などが挙がっています。

さらに、ブロックチェーン関連のスタートアップとしては、仮想通貨取引所を運営する「BitoEX（幣託）」や、ブロックチェーン関連のニュースを報じるサイト「blockcast（區塊客）」などが挙げられています。

BitoEXは先日、独自トークンの「BITO」のICOを実施して、わずか26時間で6.5億台湾ドルの調達を果たしたことがニュースになった台湾を代表する仮想通貨取引所ですし、「blockcast」は日本のベンチャーニュースメディア「VentureTimes」との提携が発表されています。どちらも台湾のブロックチェーン・仮想通貨市場で注目を集めるプレーヤーですね。

（ちなみに、BitoEXについてはこちらの記事で取り上げました。「blockcast」についてはこちらの記事で少し言及しています）

2020年までに達成すべき目標のために…

先に挙げた「Meet」に掲載された記事には、AppWorksの共同創業者である林之晨さんの、今回のアクセラレータープログラムに関するコメントが掲載されています。

このコメントによれば、台湾には2020年までに達成すべき以下のような目標があり、そのための活動のひとつとして今回のアクセラレータープログラムを位置づけているようです。

・更多專注於 AI 與區塊鏈新創（AIとブロックチェーンのスタートアップにさらに注力する）

・提升他們的成功機率（彼らの成功確率を向上させる）

・朝向長期偉大的區域級企業邁進（長く続く地域貢献企業に向かって邁進する）

AppWorksの支援対象は、台湾および東南アジアのスタートアップ企業です。この地域のAI・ブロックチェーンのスタートアップを重点的に支援することで、戦略的にこうした分野の発展を実現させていこうという意図を明確に感じますね。

こうした明確なビジョンを持って行動するアクセラレーターは、ブロックチェーンの発展において大変重要だと思います。

今後、ここからどのような企業が羽ばたいていくのか、これからの動きに注目していきたいです！

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文中にリンクした記事のほかに、台湾のブロックチェーン・仮想通貨市場に期待を寄せているこんな企業についても記事を書きました。

BitRabbitが台湾仮想通貨市場に関心を寄せています！（そもそもBitRabbitって？）