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「HB10インデックス」について、分散投資効果を検証してみた

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  • 昆布森ちゃん
  • 2018/08/14 16:54
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こんばんは~!

今回は一時期話題になっていた「HB10(エイチビー10)」という、Huobi取引所が出している仮想通貨インデックスについて検証してみました!

※本文中で"インデックス"のことをインデックス、または指数、と2通りの言い方をしていますが、どちらも意味していることは同じです


なにを隠そう、わたしは大学時代金融工学を少しかじっていたのだ(^o^)
なのでインデックス投資とか若干興味あったり…♪


まだまだインデックス投資は仮想通貨業界では一般的ではありませんが、今後機関投資家が仮想通貨に入ってくる場合に重要になってくるETFもインデックスの一例かと思いますので、この記事を読めばHB10だけでなくETFについても理解が深まるという狙いで進めていきたいと思います❣❣


まず、インデックス(指数)って一体何なのだ、というところから。

インデックスとは?

ひと言で言うと、「インデックス(指数)」とは、市場のモノサシです。絶えず動いている市場を把握しやすくするため、市場全体あるいは特定の銘柄グループの値動きを、1つの値に計算したものです。またインデックス(指数)に連動するよう作られた金融商品(ETFや投資信託)で投資を行なうことを「インデックス投資」とよびます。

指数は自分の運用にどのように活用するの?

代表的な指数として「日経平均株価」を例に考えてみましょう。これは東証1部の上場企業の中から、日本経済新聞社が選んだ225社の株式価格を平均した指数です。日経平均株価が上がれば日本の株式市場の調子がいい、下がれば調子が悪い、とおおよその動きを読み取ることができるのです。

楽天証券『市場のモノサシ「インデックス(指数)」を使いこなそう


➡これを仮想通貨市場に当てはめると、仮想通貨市場全体の値動きを一括して把握するための指数、ということになり、インデックスは一般的には企業がそれぞれ独自に算出するもの(日経平均も日本経済新聞社が知的財産権を保有、銘柄を制定している)ですので一概に中身を決められないんですが、もしわたしが仮想通貨市場でインデックスを考えるとしたら

・時価総額上位10銘柄を時価総額の割合ごとに保有するインデックス


というのが思いつきます!(多分典型的な例だと思います)

分散投資の効果を得たいのなら、なぜ、仮想通貨市場"全て"の通貨・トークンを時価総額ごとに組み入れたインデックスはないんだろうと思われるかもしれませんが、現実的な問題としてETFを運用する企業がすべての仮想通貨を時価総額ごとに買ったり売ったりしてしまうと、流動性の問題で時価総額の小さい仮想通貨銘柄ほど高く買わざるを得ない・安く売らざるを得ない(買い板・売り板が常に十分に存在しない)という現実的な問題があるため、より簡易的で分散投資の効果が得られるETFが運用に適しているという理由が挙げられます。

仮想通貨市場でもよくETF、ETF言われますが、ETFは“Exchange Traded Funds”の略で、「上場投資信託」と呼ばれますが、ETFというインデックスの中身を見てみると、仮想通貨全体の値動きを典型的に表すような商品構成になり、(ETFを販売する企業ごとに違いますが)「仮想通貨市場全体にベット(賭け)たい」、「個別コインごとのウォレットとかハッキング被害とかの安全面で心配したくない」、一般的に大口の機関投資家を対象とした商品のことなんですね。

動画▶「ETFって何?3分でわかるETF」


ETF、上場投資信託の場合は仮に販売している企業が個別のコインをハッキングされたとしても基本的にはETF=上場投資信託を持っている機関投資家や個人はそのハッキング被害からは資産保全という形で安全面を保障されているので、被害を受けることはありません。なのでETFが仮想通貨市場に導入されることは仮想通貨市場にとって大きなプラスになるんですね!


で、今回の本題部分ですが、フォビ取引所が2か月前くらいに運用を開始した「HB10」というのもETFの一例で、仮想通貨市場を特徴的に表すインデックスであり、それ自体が一つの仮想通貨(めずらしい!日経平均の場合、個人が日経225のETFを指数として現物売買することってなかなかない)ということになりますが、そのインデックスとしての性能を検証してみようというのがこの記事の趣旨です。


具体的になにをするかというと、6月15日に運用を開始した「HB10」、「ビットコインの保有割合100%のポートフォリオ」、上記大文字でわたしが設定した仮のインデックスである「時価総額上位10銘柄を時価総額の割合ごとに保有するインデックス」の値動きをHB10の運用が開始した6月15日の指数=100(万円)として、その後どのくらい指数が変動したかということを検証していくという試みです。


例えば100万円を手元に持っていて、

ポートフォリオA
HB10を100万円分購入

ポートフォリオB
ビットコインを100万円分購入

ポートフォリオC
時価総額上位10銘柄を時価総額の割合ごとに保有するインデックスを100万円分購入

したものと仮定して、6月15日~8月13日まで運用した場合、どのインデックスが最も収益が高かったのかを調べる、と読み替えてもらえるとわかりやすいかと思います。


では以下で3つのポートフォリオ(A~C)について比較していきたいと思います。



ポートフォリオA = HB10について


で、さらに前置きが長くなって申し訳ないのですが、「HB10」という商品ですが、興味をもって見ていた方はお気づきの方もいると思うんですが、商品構成が変わっていくんですね。設定当時と現状でHB10を構成する10銘柄が変化しているのを下の図で予備知識として持っていただけるとありがたいです。


(HB10の構成通貨の推移)

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(HB10の商品構成は「通貨」,「プラットフォーム」,「アプリケーション」,および「現物資産トークン化」の4つのタイプを組み入れるとのことで、詳細は仮想通貨ジョシ校生蟻巣さんの記事がわかりやすいです。)


➡日経平均もそうですが、インデックスの中身は随時変わっていってしまいます!日経平均は日本の経済を典型的に表す企業225社の入れ替えが随時行われていますし、HB10の10銘柄もHuobi取引所で最も活発に売買される10銘柄を組み入れることを謳っていますし、わたしが設定した仮想のインデックス「時価総額上位10銘柄を時価総額の割合ごとに保有するインデックス」についても時価総額10位のコインと11位のコインの時価総額が入れ替わった段階でインデックスを構成する"時価総額上位10"銘柄が変わっていってしまいます。
ただそのほうがより市場性であったり仮想通貨全体の景気動向をより適切に表しますので、そういうものだという理解で良いかと思います♪


ポートフォリオAの値動きが実際どうなったかというと、

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価格推移から、ポートフォリオAの情報をまとめると

ポートフォリオA=HB10 に100万円投資した場合のまとめ

6月15日時点価格:0.9018
6月15日時点日本円:100万円

8月13日時点価格:0.5726
8月13日時点日本円:63万4952円

下落率=36.5%



ポートフォリオB = ビットコイン について


このポートフォリオはわかりやすいですね!

検証期間中、日本円を100万円分ビットコインで持っていたら、いくらになっていたでしょうか。

ビットコインの価格推移を6月15日~8月13日まで以下に貼り付けておきます!


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価格推移から、ポートフォリオBの情報をまとめると

ポートフォリオB=ビットコイン に100万円投資した場合のまとめ

6月15日時点ビットコイン価格:6,456.58ドル
6月15日時点日本円:100万円

8月13日時点価格:6,297.57
8月13日時点日本円:97万5372円

下落率=2.4%



ポートフォリオC =  時価総額上位10銘柄を時価総額の割合ごとに保有するインデックス について


こちらは6月15日時点のインデックスを自分で作るしかありませんでしたので作りました。

まず、6月15日時点の時価総額上位10通貨の時価総額を求め、100万円がそれぞれの通貨にどの割合で投資されたか示した図がこちらです▼

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それぞれの価格推移を引っ張ってきて、どのような値動きをしたのか確認します(それぞれの10通貨のヒストリカルプライスを引っ張って計算しています)▼

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価格推移からポートフォリオCをまとめると...

ポートフォリオC=時価総額上位10に時価総額割合分100万円投資した場合のまとめ

6月15日時点インデックス価格:-
6月15日時点日本円:100万円

8月13日時点インデックス価格:-
8月13日時点日本円:95万2227円

下落率=4.8%



3ポートフォリオの比較まとめ


Content image

(赤文字の下落率の行を追加しています)



結論・まとめ


結論を出す前に前提として、仮想通貨の市場規模が6月15日~8月13日までにどの程度推移したか確認しておこうと思います。

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https://coinmarketcap.com/ja/charts/

仮想通貨市場は6月15日~8月13日までに31.1兆円から23.6兆円に縮小(下落率24.1%)しました。
また、検証期間中のビットコインのドミナンスが上がってきたという事情も考慮しなくてはならないと思っています(個別事象)。
その上で、無理やりにでも結論を出すのであれば…


結論①

・HB10はインデックスとしては仮想通貨市場全体を表すインデックスとしてはボラティリティが大きい(市場全体の値動きを典型的に表しているとは必ずしも言えない)
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➡理想としては市場全体の規模縮小の程度=下落率24.1%程度になっているかなーと思って検証をしてみましたが、思いのほか下落率が大きかったです。



結論②

・「ビットコインのみを保有」する場合、及び「時価総額上位10銘柄を時価総額の割合ごとに保有するインデックス」は市場全体の値下がり率を上回ったパフォーマンスを出しており、インデックス投資として優れている可能性がある。
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➡ビットコインガチホが最強かどうかは検証期間の問題もあり一概には言えないかと思います💦 無理やり結論付けていますが。。


結論の補足、反省点

今回HB10を検証するという目的から、検証する期間が2か月弱と短かったため、十分なデータが取れませんでした。ビットコインのドミナンスが上がっていく期間であり、アルトコインが大きく下がっている期間であったため、HB10を構成する銘柄の下落率が目立ち、HB10のパフォーマンスは著しく悪く見えました。

また、どの程度のリバランスが行われたのか、みるからに頻繁に行われるリバランスはどのように価格への影響を与えたのか(プラスの影響を与えるのか、マイナスの影響を与えるのか)といった最も知りたいことはなかなか今回のデータ検証では掴めませんでした。


これがアルトコインの価格が上がっている期間、かつビットコインのドミナンスが下がっている期間である場合、HB10のパフォーマンスは市場全体のパフォーマンスを上回っていた可能性も無視できないかと思います。また、HB10ではHuobiトークン保有による各種エアドロップ、配当なども対象となることも無視できない事項でしょう。


いずれにしてもインデックス投資に関しては十分な検証期間を経たうえで、インデックス投資がその本来の役割である「市場の景気動向を典型的に形成」し、「個別銘柄を選別したポートフォリオよりもより少ないリスク(ボラティリティ)で最も優れたリターンを出す」という点が確認できることが重要であり、今回はその結論までは到達できなかった印象です(実際ボラティリティは大きく、リターンは小さかった)。


HB10のインデックス投資に関しては現時点ではインデックス投資としてはお勧めできない状況であり、それであればビットコイン単体保有、もしくは時価総額上位10通貨をその時価総額に応じて分散投資することが優れたポートフォリオ構成であるような結論になってしまっています。


以上、「結局ビットコインガチホが最強じゃん」みたいなツイートを見て勢いで書いてみました!


ご感想をお待ちしておりま~す(HB10持ってる人スマン…w)♪



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