今日は2018年9月17日です。
はい、中国が仮想通貨に敏感になっているのは、キャピタルフライトを恐れているからじゃないかしら。
そんな話を前回パート1で記しました。
たとえば、中国国内にある資産(中国元等)を、OTC取引でビットコインに変えてしまえば、お金持ちは簡単に資産を中国国外に移すことが出来ちゃいますよね。
だってビットコインなら、金のインゴットや現金みたいに嵩張らないので、お金持ち本人は手ぶらで飛行機にでも乗って、国外のどこかでビットコインを再びOTC取引するなり、直接使ってしまえばいいんですから。
ただでさえ中国は中国元という法定通貨の国外持ち出しについても敏感になってるんですから、そこで仮想通貨なんてものを安易に認めるってのが難しい話なわけですね。
ええ、そんなことになると、国家というものは、困ってしまうわけです。
突き詰めていえば、これは中国だけの問題じゃありません。
日本も、アメリカも、程度の差こそあれ、ビットコインには神経を尖らせていますよね。
日本の金融庁が仮想通貨取引所の認可を出しているのも、もちろん、詐欺やハッキング等から消費者を守るため、マネーロンダリング対策っていう意味合いもありますよ。
でも、金融庁は、日本の仮想通貨取引所という入り口を抑えることによって、日本のお金持ちが資産をビットコインに変えることさえも、調べることが出来るようになりますよね。
既存の銀行が行う海外送金だって、国家ならそれを調べられるんですから、法定通貨が仮想通貨になったって、彼らは調べるよってことですね。
中国や日本だけじゃない、色々な国家が、表向きには、マネーロンダリング対策だとか、テロ資金対策だとか、好きなように言いますけどね、でも、突き詰めて言ってしまえば、自国のお金の流れを掌握したい、そういうことなんですよね。
そうなんです。
程度の差こそあれ、どこの国家も、仮想通貨について考えてることは対して変わりません。
そして、一方で、きっと、マルタやなんとか諸島やなんとか公国なんていう国家は、仮想通貨に対して比較的寛容になるんじゃないでしょうか。
このへんは、タックス・ヘイヴンと同じかもしれません。
でもですね、中国の場合、今の仮想通貨に対して敏感にならざるを得ないもう一つの理由があるんですね。
仮想通貨、というか、ICOに対して、中国はかなり敏感になってます。
その理由は、ICOには、詐欺やデタラメなプロジェクトが多いからなんじゃないかしら、僕はそう思うわけです。
ここ数年、中国ではモバイルペイメントの環境が発展したのと同時に、インターネットを使用したフィンテックもかなり発展したんですよね。
たとえば、現在の中国では、銀行口座と紐付けられたスマホの支払いサービスから、簡単に投資信託や金融商品を購入することが可能になっています。
それなりにまともな金融商品なら、いくらでも買ってもらっていいんですよ。
でも、中には、年利10%以上を謳うポンジ・スキームのようなものもあるんですよね、中国には、たくさん。
さらに、現在の中国では、P2Pレンディングサービスが破綻して凄いことになっています。
P2Pレンディングサービスってのは、ユーザー同士がプラットフォームを通してお金の貸し借りを行える素晴らしい試みなんですがね、でも、仮想通貨やブロックチェーンと同じで、素晴らしい試みが必ずしもすぐさま人類を幸せにするわけではないんですね。
https://jp.reuters.com/article/china-p2p-investors-idJPKBN1L007I
このロイターの記事をみてもらうと分かりますが、損失を被った一般投資家が抗議のために首都北京に集まっちゃうんです。
これは大変です。
ほんとに怖いです。
彼らは一般投資家なんて名乗ってますが、昨今の仮想通貨界隈からすれば「養分」そのものですよね。
中国のP2Pレンディングサービスは、まともなプラットフォームもありますが、一般投資家(養分)たちは、お金に目がくらみより高い金利を求めてリスクの高いところにお金をつっこむんですね。
日本でよく言われる「養分」は、中国の投資用語では「割韭菜(半分のニラ)」って言います。
ニラって植物は、根っこを半分ほど残してやれば、残りの半分を取って食べてしまっても、すぐに再び生えてくる植物なんですね。
だから中国の投資用語では、お金を何度失っても何度失っても、ふたたび自分のお金を失うためにマーケットへ戻ってくる「養分」のことを、「ニラ」と表現するわけです。
自分のお金を半分失って「ニラ」で居てくれてる分には、マーケットにとって可愛い存在ですが、首都までやってきて、自分たちの損失を政府の責任に転嫁し、抗議活動をしようとするのは、中国にとって恐怖でしかありません。
中国って国家は、人口が多いですから、ちょっとした火種が、大火事にもなりかねないのかもしれませんね。
ええ、そうです。
ICOも、中国にとってみれば、その詐欺やデタラメなプロジェクトにお金を吸い取られる「ニラ」の存在を無視することは出来ないんですね。
「ニラ」が怒り出すぐらいなら、早くからその元凶となるかもしれないICOを規制してしまえ。
そうなふうに、中国は考えたんじゃないかしら、みなさんもそう思いませんか?
それでは、またパート3で!
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