リアルで介護教員をやっているものです。
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今回で3記事目となります。
2、【介護職不要論】テクノロジーは障害という概念さえ終わらせるか?
この記事を読むと以下のことが理解できます。
・AI・ロボットによって職が奪われ始めているラスベガス市民の声
・介護の仕事は当面の間、安泰である理由と今後の予測
【はじめに】
私は介護暦13年で管理職として8年ほどの経験があります。
老人保健施設という、お年寄りに必要なリハビリや介護を施し、身体機能を回復させたあと、住み慣れた家に帰って頂く。ということを目的とした事業所で働いておりましたので、元気になって自宅に帰っていくお年寄りの姿を見送る瞬間はとても感動的で、なにものにも代え難いやりがいとなっていました。
ただ、管理職としては「人をマネジメントするのは本当に難しいな」と感じることがたびたびありましたね。
ご存知の通り、介護の世界は人手不足が深刻で、「猫の手も借りたい」という状況の事業所が多くあります。私が働いていた施設も、10代~80代まで幅広い年齢層の方々が一緒になって働いておりまして、人をマネジメントすると言う意味では苦労が絶えませんでしたね。
ある日、突然髪の毛を「真紫」に染めてくる若手女性職員が居たり・・・。
「長いから髪の毛きっといたでぇ~」と、誰の許可もなく利用者さんの髪の毛を切り刻む年配職員が居たり・・・。と(笑)
また、女性の多い職場ですので、1番の悩まされたのが「人間関係のこじれ」ですね。
管理職の役割でもっとも重要なのは、働くスタッフのモチベーション管理だと思います。特に介護の仕事のようにチームワークが求められる職場においては、スタッフ間の「良好な人間関係」がスタッフのモチベーションの維持に大きな影響を与えます。
介護福祉士は「人間関係」のプロですので、そこで培われた心理学に基づいた「人間関係形成術」なんかもまたどこかの機会でお話できればと思います。
ここで、皆さんに考えていただきたいのですが、ロボットやAIが人間の仕事を完璧にこなせるようになった場合、人を雇用し続けますか?
私ならロボットの導入コストが少々人間よりも高かったとしても、導入を検討します。
なぜなら、年中無休で休みなく、文句も言わずに働いてくれるからです。
ここで、ロボットやAIを積極的に導入を進めるアメリカのラスベガスについて、触れておきたいと思います。
ラスベガスの商業施設では、以下のようなバーテンダーロボットや、自動で客室までモノを運ぶデリバリーロボットの導入が積極的に行なわれています。
(バーテンダーロボット動画:15秒)
(デリバリーロボット動画:約2分)従業員の代わりに荷物を届けています。
(ラスベガス市民の訴え 動画:約2分)
ラスベガスでサービス業を仕事とする方々は、AIやロボットによって職を奪われないように、会社側に訴えかけています。
もしも、自分がラスベガスで働く人達と同じ立場だったら、同じようにデモに参加し、AIやロボット導入を阻止しようと必死になっていたかも知れません。仕事がなくなれば、生きていけなくなるわけですからね。
ですが、会社側の視点に立って考えてみるとわかるとおり、ロボットは何の文句も言わず働き続けてくれるわけで、こういったデモを起こされるリスクもありませんので、ロボットを導入するメリットの方が大きいと判断したのでしょう。
それが現実なのです。
今、コンビニなどでキャッシュレス化が進められているかと思います。
キャッシュレス化の波が過ぎたあと、確実に来るのが「無人化」です。
(次世代店舗:動画約1分30秒)
技術的失業の可能性は、サービス業に留まりません。
〔出典〕日経新聞
表は野村総研と英オックスフォード大との共同研究による「10 ~ 20 年後に、AIによって自動化できるであろう技術的な可能性」から抜粋したものです。
私個人の考えとしては、代替可能性の高い職業であっても、全ての業務がAIに置き換えられるかというとそうではないと思っており、あくまでAIは補佐的な役割を担い、決裁権は資格を持つ人間が持つべきだと考えています。今のところは、、、
ただ、どうあがいても人間がAIに勝てない分野があります。
昨年こんなニュースがありました。
結論から言うと、これまで職員20~30人が1週間以上かけて行なっていた業務を、AIはわずか数秒で行なってしまったというのです。
さすがにこれは私も衝撃を受けましたね。
20人~30人の1週間分の人件費はいくらかかるでしょうか??
わかりやすくするために、時給一律1000円で計算してみましょう。
職員1人当たりにかかる人件費:1000円×8時間×7日=56000円
30人分で計算:56000円×30人=1680000円※おそらくもっと高いでしょう。
168万円分の人間の労働を、わずか数秒で終わらせるAI。
AIはこのような情報処理の仕事が大得意ですから、人間は人間にしか出来ない仕事にリソースを割くべきだというのが私の考えです。
これから、自動車の自動運転技術が進めば、タクシー運転手やトラック運転手の仕事が過去のものとなります。※画像はフォルクスワーゲン(VW)グループが発表した未来のEVタクシーのコンセプトカー。
出典:https://gigazine.net/news/20170307-volkswagen-sedric/
先にもご紹介したとおり、ホテルの案内人や、レク係なんかも姿を消していくことでしょう。
私はAIやロボットに人間の仕事が置き換えられていくことに対して、むしろ肯定的です。これまでの歴史を振り返ってみても、人間の仕事は技術革新が起こるたびに様変わりしていることが分かりますもんね。
グーグルの元CEOラリー・ペイジ氏はこう述べています。
「20年後、あなたが望もうが、望むまいが現在の仕事のほとんどが機械によって代行される。」と・・・。
私は、過去に固執するのではなく、変化に対応する生き方を選びます。
おそらく、ALISISTAのみなさんも同じ考えではないでしょうか?
私と同様、きっと未来を見据えて行動しておられるはずです。
では、機械化されない職業とはいったいどういったものなのか??
ある調査機関によって出された答えがこちらです。
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だいたい予想どおりですよね?
というわけで、10年後、どんどんAIやロボットたちに仕事を奪われていく中で生き残る可能性の高い職業に「介護福祉士」が堂々の2位となっています。
私もこの結果には納得です。
そして、私の予想はこの記事のタイトルにもありますように、
と割と本気で思っています。
介護の仕事の価値はどんどん上がってきていて、私の知人が働いている訪問介護の最高時給は2800円です。(身体介護で諸手当込み)
おそらく10年後には、手軽にはじめられるようなアルバイトは存在せず、簡単な作業ほど機械に代替されているでしょう。そのため、AIやロボットによってリストラされた人々の多くが介護の世界に飛び込んでくると考えています。
もちろん、その頃にはもっと介護の専門性が高まっているでしょうから、今のように数回の研修を受けただけで介護の仕事に就けるとも限りません。
資格を取るなら今のうちに取っておくことをおススメしておきます。
【さいごに】
私は介護福祉士養成校の教員ですので、「介護福祉士」の明るい未来を学生達に語らなくてはいけない立場です。
そんなわけで、今回は”ポジショントーク”バリバリでお届けしてみました(笑)
いずれにせよ、介護の仕事はこれからも需要が高まってきますし、一部機械に代替されたとしても、介護の仕事すべてが機械化されることはまずありえないでしょう。
これから「人間にしかできないこと=価値」という時代が間違いなく訪れます。
介護は単にごはんを食べさせたり、おむつ交換をしたりする仕事ではありません。
相手の立場に立ち、人生の最期を迎えるその日まで、その人らしい生活を送っていただくための支援が求められます。
そして、対象者と心と心を通わせないと成立しない仕事であり、当然それは「人間にしかできないこと」であると考えます。
今は厳しい状況が続きますが、きっと夜明けは来ると信じて。。。
【過去の記事】
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