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USDTに見るセキュリティトークンに必要なもの

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  • ton
  • 2018/11/08 00:18
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セキュリティトークンは資産の裏付けがある有価証券なので、実物としてそれが確保されている必要があるという話をします。


USDTはテザー社という会社が発行しているステーブルコインです。

ステーブルコインについての考えは「ステーブルコインに関する話~2018秋~」に書きました。不十分な点はあれど、あらかた私の考えはまとめたつもりです。少なくとも日本では銀行法との兼ね合いがあります。そうなると担保が1:1ではなくそれ未満になるかもしれません。信用創造が可能になるかもしれません。

さて、USDTには大きな疑惑があります。

1:1で持っているはずのUSDを持っていないのではないか、と。現状はテザー社がバハマの銀行Deltecに口座を開きデューデリジェンス(調査で良いと思います)と定期的な監査を行うという話が出ています。

現物裏付け型のステーブルコインは、この点を大きく受け止め、GUSDなどは非常に細やかな監査を公にしています。

(個人的にはテザー社にUSDT発行分のUSDは所持してないのでは?と思えます。ちゃんとあるのであればすぐに証拠を出せるからです。)


次に、セキュリティートークンの確認をします。

(この一連のまとめ、素晴らしいです。すべてご覧になることを強くお勧めします)

ここでは上記の広義の定義を採用します。

現実社会のアセットのトークン化

私見では自己創設のれんのようなB/Sに乗らないものも出てくるように思います。ブランドと言い換えると非常にわかりやすいと思われます。別の具体例を挙げれば(場合によっては地域を限定された)独占販売権です。〇〇商会が外国のXXXというブランドを独占販売する権利を取得する。トークン化することで流動性が高まり公正な価格がつくようになると思われます。逆に言えば個別の契約をした方が希少性を保てるような場合、トークン化をされない場合もありそうです。


ここで、USDTとセキュリティトークンの共通点が見えてこないでしょうか?
アセットバックトなトークンであるという点です。

つまり、セキュリティトークンを発行するためにはその資産がちゃんとそこにあり、あり続けることを証明しておかなければ、本来的なセキュリティトークンの価値はないはずになります。

例えば債権をトークン化した。その価値算定は容易です。割引現在価値で問題ないと思います。

このバリュエーションは「そこにモノがあることが大前提」になっています。という事は、セキュリティトークンは上記USDTやGUSDのように継続的にその資産がある事の監査を受けるか信託されるか、のれん(≒ブランド)などは知見のある人間が観察検証する必要があります。
その客観性にも留意せねばなりません。

コストがかかるのですね。

もちろんセキュリティートークンには有価証券として扱われる事による規制の影響という論点が大きくあるでしょう。

今回の話はあまりにも当たり前すぎて、指摘されることがないよなぁと思ったので書いておきます。

アセットバックトなトークンには、裏付けの価値証明が必要です。


ここであえて挑戦的な指摘をしようと思います。
それは、「実態が無くても動くものは動く」という事です。

こちらの記事2018/10/01時点のものですがUSDTがステーブルコインの中で90%を超えて使われていると。

2018/10/29時点のこの記事では97%。

「2018/11/08時点では、他の裏付けに監査や調査を行っているステーブルコインは上場していないところがあるからだ。上場しきったらUSDTのシェアは減少するだろう。」
そういう予測も成り立ちます。
一方で、事実として、裏付け資産に不安があっても使われているんですね。
これはシニカルに見れば、本源的な価値に興味はなく、役割にたいする共通認識が強固であり使われていれば、それなりに使われるだけの価値をもたらすと言えそうです。
独占や寡占という市場シェアの面から見れば、75%越えのシェアを取ったときに何が起きるのか、という一つの実証例です。(興味がある方は、クープマンの目標値を調べてみてください)
別の見方をすれば、やはり仮想通貨の使途を広げる事自体が仮想通貨の価値向上に必要だと思います。


セキュリティトークンに話を戻します。
セキュリティトークンを資金調達に使う、STOするために使う視点です。

グローバルな資金調達という点から考えると、ICO・STOだけでなく

ILPというものもあります。

先日YAHOOで紹介されていたのでご存知の方も多いでしょう。

これは、トークンを渡し債務を引き受けます。間接金融の利用です。

ICOですと貸方が収益となるか純資産となるか微妙なのだそうです。しかしILPでは負債として確定します。

規制やGAAPが流動的な現状では、処理方法が決まっているというメリットは見過ごせないと思います。

収益として計上すると、利益の増加につながります。法人税等というキャッシュアウトが生じるのです)


以上

・アセットバックトトークンには、監査が必要
・資金調達手段はICO・STOだけじゃない

という話でした。


ではでは

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公開日:2018/11/08
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