一般的に人は強い権限を持つとステレオタイプで判断しがちになります。
力を持つと自信過剰に陥り、今まで染み付いた従来の考えが正しいものだと思い込んでしまうからですね。
アメリカでは、架空の面接会場を設けて、面接官と受験者のやり取りを観察する研究が盛んにおこなわれています。
そういった研究によると、面接官への権限の強さによって、判断基準がステレオタイプなものになっていくというのです。
ある実験では、男性面接官に女性を採否を決めてもらいました。
その実験では男性面接官を2グループに分け、一方に「あなたの権限で採否が決定します」と告げられもう一方には「あなたの意見は参考程度で、あなたに採否を決める権限はありません」と告げました。
そして、面接官になんとアダルト動画を見せてから、女性の面接を開始します。
すると、権限を与えられた面接官は、必要以上に女性に接近したり、体を見つめたり、セクハラに該当するような質問が多くありました。
一方、権限が与えられていない方はそういった傾向が少なかったのです。
権力者はたびたびステレオタイプでものを見るような発言をして、メディアに叩かれますが、こういった心理が働いているのかもしれませんね。
一方、権限が弱すぎる人も、問題があります。
権限が与えられないとモチベーションが低くなるので、正しく相手を見なくなり、結果的に権限のある人の意見に便乗してしまうから。
そうなると余計ステレオタイプな判断になってしまいますね。
参考
本当にわかる心理学(植木理恵)