結論から言いますと、いつもの話です。
すなわち「日本人はデータや情報を使う能力が低いから」という理由です。
この「データや情報を使う」という意味では大きく二つ、つまり「手段」と「目的」に分かれます。
一つは「手段として使えるか」こと、もう一つは「何の目的で使うか」ということですが、日本人は前者にのみ注目しがちなんですね。
今回の「データや情報」については、手段として問題なく使うためには「暗号資産の知識」が必要です。
(って、偉そうに言うてる私はここら辺の知識が乏しいために、使う能力が低い国民の一人となって足を引っ張っています。ごめんちゃい)
ただまぁ、ここら辺の知識はがんばって勉強すればどうにかなることです。
問題はもう一つの「何の目的で使うか」の方なんですね。
実は日本人、この能力が著しく低いにもかかわらず、そのことに気付いていない人がほとんどです。
気付くことさえできたら「これは何とかしなければならない」という気持ちが生まれますから、まだましな状態なんですけども。
って、仕事ができないパートのおばちゃんの職歴しかないこの私が言うても、あまり説得力がないと思いますので、専門家の先生のお力をお借りしましょう。
以前もリンクさせて頂いていた記事ですが。
『目先の結果ばかりに囚われてはいけない|慶應義塾大学大学院理工学研究科・鹿野豊 後編』
鹿野豊先生は、主に量子コンピューターの分野で有名な先生です。
その鹿野先生が上記リンク先の記事で、以下のように仰っています。
量子コンピュータの内部で何が起きているかなんて知らなくていい。それは専門家の仕事です。
でも、コンピュータというのは、問題を入力してあげなければ、ただの箱にすぎません。
その問題を発見できるのは、専門家ではなくて、みなさんなんです。
――とすると、現状をたとえて言うなら、「コンピュータという大きな船を作ったぞ。みんな乗れ!よし、みんな乗ったな!で、どこへ行く?」なんですね?
鹿野:
「その通りです。そして目的地のヒントは、みなさんの日常にある~後略~」
「ところが今は、失敗を許さない風潮がある。
早く結果を見たい、早く利益を回収したいという気持ちが強すぎて、準備のサイクルが短すぎるんです。
気持ちに余裕を持たなければいけません」
ここですよ、ここ。
ここの部分を疎かにし過ぎなんですよ日本人は。
で、ここで「失敗を許さないのがダメだってことは、既に散々言われているじゃないか」と思う人も多いとは思いますけども。
その情報を「知っている」だけなのと「使うことができている」というのには、雲泥の差があるわけです。
って、このように書きますと、使うって意外に難しいということがわかりますよね。
使うことは難しい、だから他の人が既にやっている何らかの物や情報等の使い方を知り、それを上手く応用して別の有益な形で使うことはできないだろうか?
あるいは逆に、誰かが失敗したという話から、別の良い方法を導き出すことはできないだろうか?
常にそのように考えるよう習慣にすると、普段から誰に対しても叱責するということをやらなくなります(責める時間も惜しいですし、責められた人からはごめんなさい系の情報しか得られなくなりますので)。
そういえばエジソンはんも言うてましたわー。
「失敗ではない、こうすれば失敗するという方法を発明したのだ」
これをもうちょっとカッコよく言えば「こうすれば失敗するという情報を得られた」という話になります。
そしてこの得られた「(どうやったら失敗したかという)情報」を、どのように上手く「使う」のか?
さらに「失敗という結果に至った情報はムダ」だとしないことで、それを上手く使って「当初の目的よりも大きな成功に至る」こともありますし。
Web3.0時代は、むしろそちらの方が重視されていくわけです。
これは情報やデータだけの話ではなく、人や物、お金など、幅広く当てはまることでもあります。
以前書いた記事にも使った画像ですが、今回もどうぞ。
つまり、現時点で「情報やデータだけの話ではなく、人や物、お金など、幅広く使うのがド下手な日本人が、Web3.0になったからと言ってそれだけで使い方が上手くなるわけないやろ」というのが、今回の結論でした。
(具体的なアイテム「財布」で、一般的な「お金を入れるための道具」以外の使い方について、以前書いた記事があります。
『「所有」→「使用」の時代にはなったけれども、情報の使い方は同じ』
今回の話は抽象的過ぎてわかりにくいと思う方は、どうぞ)