メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種を目指して、覚えたこと、感じたことなどをアウトプットしていくことで、記憶の定着と自分の考えの整理をしていきたいと思います。なお、内容については間違いなど普通にあると思います。これを見て落ちても責任は取れませんので悪しからず。
第15回目は、第6章となります。そろそろ最後が見えてきました。残すは2章のみ!前回はこちら。
メンタルヘルス実施にあたっては、労働者本人、管理監督者、産業保健スタッフ、人事労務管理スタッフ、そして社外資源などが、プライバシーに配慮しつつ互いに連携し合うことが大切です。1節は社内資源、2節は社外資源、3節は医療機関の種類や選び方、受診を決めるポイント、実際の治療の様子を学びます。最後の4節では社外資源と連携するか否かの判断方法や具体的な連携方法について学んでいきます。
社内資源とされているものは、大きく産業保健スタッフ、人事労務スタッフがあります。ここは知識の部分なので、サクッと以下にまとめておきます。産業保健スタッフに関しては、テストに出るとことです。
まず、産業医についてです。産業医の役割は、メンタルヘルスに関する病態のアセスメントと業務遂行能力に関するアセスメントを適切に行うことです。主な役割を以下にあげておきます。なお、産業医は医師ですが、診療や治療はしないので注意が必要です。ここはテスト頻出なので要チェックです。
産業医の役割
1)医療の専門家としての病態のアセスメント
2)休職者に対する復職に可否の意見
3)ストレスチェック制度に基づく高ストレス者への面接・指導
4)就業上の配慮に関する意見
5)社内の関係部署との調整・連携
6)医療機関(主治医)との情報交換
7)職業環境の改善提案
8)メンタルヘルス対策の企画や教育
9)メンタルヘルスに関する個人情報の保護
次は、保健師についてです。すべての企業にいるわけではありませんが、大手企業などでは産業医の指示命令のもとに動く産業保健スタッフとして、雇用されている場合があります。役割としては、産業医面接する前の一次窓口として、労働者の相談対応をしたり、心身の不調が見られる場合にはその内容を産業医に報告して産業医面談につなげることなどです。
保健師の役割
1)一般的な職務
・保健指導、健康相談、健康教育などによる疾病予防
2)メンタルヘルス対策における主の役割
・メンタルヘルス不調者の早期発見、フォローアップ、相談窓口
・産業医との連携
・人事労務管理スタッフ、管理監督者との連携
・メンタルヘルス対策の企画・教育
・ストレスチェック制度の実施者
次に、衛生管理者です。役割は次の通りです。衛生推進者は従業員50人未満の事業場においては、衛生推進者を決めて、衛生管理者と同じような役割を担います。
衛生管理者の役割
・メンタルヘルス対策の実施
・早期の気づき
・関係各署との連携
その他として、臨床心理士や産業カウンセラーやTHPにおける心理相談担当(心理職)などがいます。なお、THP(トータル・ヘルスプロモーション・プラン)については、以下にリンクを貼っておきます。
産業保健スタッフ以外としては押さえておく必要があるのは、人事労務管理スタッフです。人事労務管理スタッフはメンタルヘルス対策において、その一翼を担うことに自覚を持って対応が必要です。役割については次のようなものがあります。
人事労務管理スタッフの役割
・早期の気づき
・健康配慮義務を果たすための労務管理・人事管理
・人事労務施策(キャリア形成や外部EAP機関との連携など)
これらには選任義務があるものがあります。基準となる従業員数などテストに出ますので、覚えておく必要があります。特に業種にかかわらず変わるライン(50人のライン)は要チェックです。
また、産業医は従業員1,000人以上の事業場では専属産業医(一部有害業務がある場合は500人以上)が、3,000人以上の場合は専属産業医2名か専属産業医1名+産業医1名を選ぶ必要があります。衛生管理者は従業員数により人数の規定があります。50人以上で1人、201人以上で2人、501人以上で3人、1,001人以上で4人、2,001人以上で5人、3,001人以上で6人となります。
メンタルヘルス指針(労働者の心の健康保持増進のための指針)では「メンタルヘルスケアに関する専門的な知識を有する各種の事業場外資源の支援を活用することが有効」とされています。社外の資源も有効に活用してメンタルヘルスケアを行う必要があります。
大きく、公共機関、健康保険組合、外部EAP機関の3つがあります。
労働衛生・産業衛生の分野での行政機関としては、労働基準監督署や労働局があります。心の健康づくりやメンタルヘルス対策の基本的な情報発信・指導を行うとともに、相談窓口を設けているところもあります。一方、地域単位での保健活動の拠点は保健所、保健センターとなります。地域住民の精神保健の相談、訪問指導、心の健康相談から、診療を受けるにあたっての相談、アルコール・認知症などの相談、社会復帰相談、思春期・青年期の問題への相談など広範囲に対応しています。コロナで保健所が注目されています。相談の結果に基づき、適切な病院や施設、自助グループなどへの紹介や、医学的指導やケースワークなどを行ったりという役割があるためです。テストで出るのは役割もそうですが、設置の単位でひっかけ問題というのがあります。チェックしておきましょう。
設置の単位
労働局 都道府県単位に設置
労働基準監督署 都道府県内の地域ごとに設定
保健所 都道府県、政令指定都市、中核市などに設置
保健センター 市区町村単位で設置
労働安全衛生分野としての機関としては、2つあります。
中央労働災害防止協会
設置:労働災害防止団体法に基づき設置
目的:事業主の自主的な労働災害防止活動の促進を通じて、
安全衛生の向上を図り、労働災害を絶滅すること
概要:THPの担当者育成など国から様々な業務を委託されている
情報提供、コンサルティング、教育研修を実施
メンタルヘルス対策としては、有償でさまざまな支援を実施
職業性ストレス簡易調査票を使用したストレスチェック
産業保健総合支援センター
設置:(独)労働者健康安全機構が全国の都道府県に設置
目的:産業医、産業看護職、衛生管理者などの産業保健スタッフ支援
事業主などに対して職場の健康管理への啓発を行う
概要:一次予防から三次予防までメンタルヘルス全般に関して事業主、
労働者、家族からの相談に対応
地域窓口(通称:地域産業保健センター)も設置、50人未満の
事業場とその従業員を対象に相談などの無料サービスを提供
メンタルヘルス対策の役割を担った機関としては、5つあります。
自殺総合対策推進センター
設置:国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターの精神保健研究所
目的:自殺予防に向けての政府の総合的な対策の支援
概要:自殺予防対策に関する情報収集・発信、実態分析、自殺対策支援
ネットワークの構築、自殺予防対策等の研修、自殺未遂者・自殺
遺族などのケアの調査・研究
精神保健福祉センター
設置:精神保健福祉法に基づき、各都道府県・政令指定都市
目的:精神保健福祉に関する総合的な技術センター
概要:精神保健・精神障害者の福祉に関する知識の普及・調査研究、
相談・指導のうち困難または複雑なものを取り扱う
心の病を持つ人の自立と社会復帰を指導・援助
地域の保健所や関係諸機関の職員を対象とする研修、技術協力
センターによっては活動内容が若干異なる。相談のみの場合あり
勤労者メタルヘルスセンター
設置:(独)労働者健康保全機構が運営する労災病院の一部
概要:ストレス関連疾患の診療、相談
メンタルヘルスに関する研究、勤労者・医療従事者向けの講習、研修
ストレスドック・リラクセーション部門の開設
地域障害者職業センター
設置:(独)高齢・障害者雇用支援機構が各都道府県
概要:休職中の精神障害者を対象としたリワーク(職場復帰)支援
職場にジョブコーチを派遣して、職場に適応できるように支援
「こころの耳電話相談」「こころの耳メール相談」
設置:厚生労働省
概要:メンタルヘルス不調やストレスチェック制度、過重労働による
健康障害の防止に関して、労働者や家族、企業の人事担当者などが
専用のフリーダイアルで相談できる
メンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」にて、
産業カウンセラーなどがメールでメンタルヘルスに関する相談に対応
健康保険組合の役割は、保険給付だけではなく、健康保険法に基づき、被保険者や被扶養者の健康の保持増進のために健康教育、健康相談、健康調査など予防にかかわる事業も行うように努めることです。(健康保険法第150条)
健康保険組合によってサービスが異なりますが、直接あるいは以下の外部EAP機関と連携して、電話、面談によるカウンセリングを各個人に実施したり、事業所と協力してラインによるケアの教育、セルフケア教育などを実施していることころもあります。
Employee Assistance Program(従業員支援プログラム)の略称で、企業内のスタッフがこのサービスを行うのを内部EAP、企業外からサービスを提供するのが外部EAPとなります。アメリカにてアルコール依存症の人々をケアする活動から始まったとされています。細かい歴史はWiki参照↓w
EAP機関は、サービスの対象となる従業員が抱える様々な問題に対して、解決を援助することで、結果的に、企業の生産性向上に寄与しようとするものです。事業場のニーズに合った継続的・システム的な支援が提供でき、既存の専門医療機関との連携やより専門性の高いメンタルヘルスサービスを提供できると同時に、外部機関とその相談窓口の利用は従業員にとって個人情報の人事・処遇への影響懸念を払しょくできます。
EAPのコアテクノロジーとして日本EAP協会にも記載があります。これらの機能と役割を提供するために専門スタッフを確保して対応を行っています。
その他、「いのちの電話」は都道府県ごとに設置されていますし、「働く人の悩みホットライン」は一般社団法人日本産業カウンセラー協会が実施しています。厚労省の「こころの耳」というポータルサイトは何度かこのnoteでも紹介してきました。
テスト的には、名称と役割、設置の単位など細かいところが出題されます。法律が絡むところも要チェックです。個人的には記憶していなくても調べれば分かるというレベルでいい気がします。日本のテストっぽい問題が山ほど作れそうなところですね。7~8問くらいはこのあたりの問題とどこかに書いてありました。ひとまず合格のためには暗記してましょう。
本筋としては、いろいろな機関があって、相談できるところがたくさんあるという事実が大事なのかなと思います。一人で悩むのが一番よくありません。知識としてこういった機関があるということを知っておくことがケアするうえでは大事だと思います。