テレビドラマ『99.9 刑事専門弁護士 SEASON I 特別編 第一夜』が2020年5月31日午後9時からTBS系列で放送されます。『99.9 刑事専門弁護士』は冤罪をテーマとしたドラマです。2016年に放送されました。2018年に続編のSEASON IIが放送されました。
深山大翔弁護士(松本潤)や佐田篤弘弁護士(香川照之)、立花彩乃弁護士(榮倉奈々)らが刑事事件の弁護人として冤罪を明らかにします。警察や検察のストーリーが鵜呑みにされる日本の刑事司法の問題を明らかにしました。
日本は刑事ドラマが多いですが、反対に警察の捜査の誤りを明らかにします。2019年放送の『イノセンス 冤罪弁護士』も同じテーマです。世界史には「ムハンマドなくしてシャルルマーニュなし」との言葉があります。『99.9 刑事専門弁護士』がなければ『イノセンス 冤罪弁護士』も存在しなかったかもしれません。
『99.9 刑事専門弁護士』はビジネス案件中心の法律事務所が冤罪に取り組む点でもユニークでした。冤罪に取り組む弁護士と言えば人権派弁護士のイメージがありました。しかし、人質司法や冤罪は広くビジネスパーソンに関わる問題です。この認識は2018年のカルロス・ゴーン事件を経て、重要性を増しています。2020年はゴーンさんの出国の話題で始まりました。その2020年に『99.9 刑事専門弁護士』の特別編が放送されることは意義深いです。
『99.9 刑事専門弁護士』は冤罪への取り組みをステレオタイプな人権派弁護士の枠から広げました。やはり冤罪をテーマとして2020年5月10日に放送されたドラマ『白日の鴉2』は人権派弁護士的ですが、逮捕された特殊詐欺の番頭に司法取引を持ち掛けて特殊詐欺の金主を明らかにするという人権派弁護士では考えにくい行動をしました。私は日本版司法取引には否定的ですが、様々な立場からの冤罪への取り組みが描かれるようになったことは、『99.9 刑事専門弁護士』の明るい弁護士達の影響があるでしょう。
『白日の鴉2』無能警察が冤罪を作る
カルロス・ゴーン氏レバノン出国と人質司法
キャロル・ナハスさん逮捕状と日本の司法は中世並み
カルロス・ゴーン記者会見で検察主導を指摘
カルロス・ゴーン事件と日本版司法取引の矛盾
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埼玉県警察不祥事