仮想通貨を手に入れるためには、取引所/販売所で交換・購入するというのが主流ですね。
日本国内にも数多くの取引所があり、人によっては海外の取引所で多くの取引がおこなわれています。
そのほとんどが中央集権型取引所です。
「中央集権型(centralized、中心化)」とは、取引所を運営している「中心」があり、その場を通じてユーザーが取引をおこなうという形になります。
この形では「中心」がハッキングされると仮想通貨の流出などを引き起こしてしまうため、ブロックチェーンの本来的な機能とは別のところで問題が生じてしまうということで、その解決方法がいろいろと議論されています。
その解決方法のひとつが、「中心」を持たない「分散型取引所(DEX,DecentralizedExchange、去中心化交易平台)」です。有名なところでは「EtherDelta」という取引所がありますね。
そうした流れがあるなかで、台湾発で動き出している「スタービット」について、これからとっても興味深いプロジェクトになっていきそうなので、書いておきたいと思います。
(文中の日本語訳は、ざっくりとした粗訳ですので、厳密なものではありません。参考までにとどめてご覧ください(^^;)
「スタービット(STARBIT🄬、思達比特)」は2018年4月30日に「STAR BIT🄬EX」という交易所を開設すると同時に、「SBT(STARBIT🄬 TOKEN)」のICOを実施しています。
ICOは期間限定で、今日5月6日まで1ETH=800SBT、5月7日から5月20日までが1ETH=650SBT、5月21日から5月31日までは1ETH=500SBT(これが標準レートのようです)となっています。
ちなみに、取引所のウェブサイトのトップ画像は、台北のシンボルタワーである「台北101」前の街並みが使われています。
台北101は台湾を象徴する建物であると同時に、このあたりは「新都心」として、台湾経済の象徴的な場所でもあります。「台湾からアジア・世界へ」という思いが込められているように、勝手に感じます。
ウェブサイトには、スタービットが目指すところとして、「最大的優勢在於能同時保有去中心化交易的安全性與傳統中心化交易所的使用者體驗(最大のメリットは、分散型取引の安全性と、伝統的な中央集権型取引所のユーザー体験を同時に備えているというところです)」と書かれています。
安全性を確保しながらスムーズな取引を実現しますよということですね。
ホワイトペーパーによれば、スタービットはシステムとしては0xのプロトコルを利用したスマートコントラクト(智能合約)によって、取引の透明性と安全性が確保されているとのことです。
したがって、上述した「SBT」も含め、取り扱われるトークンはERC20トークンとなりますので、これから幅広い通貨が取り扱われる可能性があります。
また、分散型取引所は「中心」の役割を果たす取引所が取引通貨を預かってくれるわけではないため、ユーザーがウォレット(錢包)を用意したうえで、ウォレット同士で取引をおこなうことになります。
スタービットは「MetaMask」を基にしたネットウォレットや、あるいはハードウェアウォレットが使用できるようです。
さらに、「イーサリアムdAPP(以太坊分佈式應用)」上で取引が行われることで、個人情報の安全性も確保されると説明されています。
加えて、スタービットが独自発行しているトークン「SBT」は保有しているだけで配当(Trading Dividends、交易分紅)が受けられると同時に、取引によって生じる手数料の割引が受けられるとのことです。
独自トークンの特典として、現在よく付与されている形ですね。
ホワイトペーパーに掲載されているロードマップ(路線圖)によれば、2018年の第2期に取引所の開設とICOの実施が挙げられています。
このとおりに実現されているというところは、とても好感がもてます。
その後は、2018年第4期にスマホアプリのサービス開始とハードウェアウォレットの販売開始、2019年第2期にはERC20トークン以外の通貨の取り扱い開始が挙げられています。取引所としての発展の方向性が明確に示されていますね。
また、以下の記事によれば、スタービットを実施している思偉達創新科技のCEOである鄧萬偉さんは、これから3か月のうちにさまざまなサービスを開始していくと明言しています。
その内容は、「Sdabi」というマイニングコントラクトや独自記事の配信、慈善公益事業のオンチェーン計画や、多様な事業をブロックチェーンと結びつけるためのプラットフォームである「BlockChainSTAR(區塊鏈的星)」計画など、多様な事業を掲げています。
スタービットは取引所にとどまらない、ブロックチェーンの多様な可能性を具体的な事業にしていこうというビジョンを持っているようで、今後の展開がとても楽しみです。
ただ、もちろん、分散型取引所ということに限ってみても、非常に可能性に満ちているように思います。いわゆる中央集権型取引所が、世界中で繰り返しハッキングを受け、資産の流出事件が多発している現状を考えれば、分散型取引所に期待される役割は大きいものと思います。
しかも、アジア発のサービスが軌道に乗れば、日本からも利用しやすい形で動き出す可能性が高まります。ぜひ、スタービットには日本も含めてアジア市場を視野に入れた事業展開を、スピード感を持って実現していってほしいですね。
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