前回、主要先進7カ国の中で最も自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)が日本に次いで高いのは、意外にもフランスであることをお話ししましたが。
日本とフランスに共通する解決策とは何でしょうか?
上記の答えの鍵になるのは「サード・プレイス」です。
人によっては、答えそのものになる人もいるでしょう。
そのサード・プレイスとは何かと言いますと、以下です。
サード・プレイスとは、コミュニティにおいて、自宅や職場とは隔離された、心地のよい第3の居場所を指す。
ウィキペディアからの引用ですが、以下も引き続き参考にさせて頂きつつ。
もう少し詳しく言いますと「第3の居場所があるということは、第1も第2もあるよね」ってことで、それが第1の「家」と第2の「職場・学校」です。
この第3の居場所=サード・プレイス(「サードプレイス」の表記もありますが、今回は中点ありでいきます)は、アメリカの社会学者オルデンバーグ氏が著書『The Great Good Place』で、現代社会において重要だと提唱したものです。
さらにオルデンバーグ氏は、以下の8つの特徴を挙げています(引用します)。
中立領域
サード・プレイスは特定の個人や団体、政治組織や宗教組織に属していない場でなければならない。また、その構成者は義務感からそこにいるのではない。彼らは、経済的、政治的、法的に縛られること無く、喜んでやってくる。平等主義
サード・プレイスは、個人の社会における地位に重きをおかない。経済的・社会的地位は意味がなく、ありふれていることが許容される。サード・プレイスでは参加するために、何も必要条件や要求がない。会話が主たる活動
遊びココロや楽しい会話がサード・プレイスの活動のメインフォーカスである。会話のトーンは気軽で、ユーモア、ウィットがあり、優しい遊びココロは高く評価される。アクセスしやすさと設備
サード・プレイスはオープンで、みなが訪れやすい環境。柔軟で親切で、集まる人のニーズにこたえるところ。常連・会員
サード・プレイスは、常連がいて、空間やトーンを形成する。その場所らしさを彼らがつくる。新たな訪問者を惹きつけて、新参者にも優しいところ。控えめな態度・姿勢
サード・プレイスは、健全である。その中には無駄遣いや派手さはなく、家庭的な感じ。偉ぶったり、排他的であってはいけない。いかなる個人、あらゆる階層の人を受け入れる。機嫌がよくなる
サード・プレイスでの会話のトーンは、けっして緊張や憎悪を生んではいけない。その代わり、陽気でウイットに富んだ会話、気さくな冗談は歓迎される。第2の家
サード・プレイスにいる人たちは、しばしばあったかい感情を共有する。あたかも同じ家に暮らす者同士のように。この場所に根ざしている感情を持ち、精神的に生まれ変わることを得る。
というわけで「日本人とフランス人の自殺者が多いのは何故か?」と言いますと、第1と第2の場所の(価値観や意識への)影響が強すぎる、とも言えるでしょう。
・第1の居場所=家(プライベートを大事にする←フランスで強すぎる)
・第2の居場所=職場(仕事を大事にする←日本で強すぎる)
で、このサード・プレイスというものはかなり幅広いものであり、カフェやクラブ、公園なども挙げられるわけですけれども。
Webがインフラ化した今では、リアルな場だけに限られることではありません。
かつて株式会社gumiの取締役会長だった國光宏尚氏も、以下の記事でサード・プレイスについて言及しておられました。
というわけで、何が言いたいのかと言いますと以下です。
・日本もフランスも十分に機能するサード・プレイスを持っていない人が多い
のではないでしょうか?
それが、自殺の遠因にもなっているのではないでしょうか?
上記で「十分に機能する」とわざわざ書きましたが、この部分は個人差が大きいところではありますけれども。
ただしこれからは、概ね人を問わず「仕事の合間の息抜き程度のもの」ではなく、その人の「一生を左右するほどの大きな位置を占める」ものになっていくでしょう。
私はもう既に、見つけることができました。
一生を左右するほどの「サード・プレイス」を。
そのことに気付かせてくれたのは、皆さんです。
(直接のきっかけは、前回頂いたかげやなぎ様の以下のコメントです)
この場を借りて、御礼申し上げます。
ありがとうございます。
これからも、よろしくお願い致します。
(あと『ALISをものすごいところにしたい、という私の野望』という記事に、いいねや投げ銭を下さった皆さん、ありがとうございましたm(_ _)m
私にとっては十分ものすごいところですが、それ以上にするため頑張ります)