どうもこんばんは。
「期間限定」の商品に目がない、新米心理カウンセラー・あぶです。
スーパーでお菓子を買うかどうか迷っている時に、パッケージに「期間限定」と書かれていると、ついついカゴに入れてしまうんですよねー。
そんな私の心理を突いているのが、『影響力の武器[第三版]』が紹介する「希少性」です。今回は、この希少性の原理についてご紹介します。
《6つの心理学的原理》
返報性のルール/コミットメントと一貫性 /社会的証明/好意のルール/権威/希少性
※その他の心理学的原理については、すでに紹介済みです。本記事の最後にリンクを貼っていますので、興味ある方はぜひご覧ください。
手に入れにくくなるとその機会がより貴重なものに思えてくる —— 。ほとんどすべての人が、何らかの形でこの「希少性の原理」に支配されています。
野球カードから骨董品まで、あらゆるものの収集家は、希少性の原理によって品物の価値が決まることをよく知っています。一般に、ある品物の数が少ないか、少なくなりつつあるなら、それだけその品には価値があることになります。
—— 『影響力の武器[第三版]』
この原理が使われる例で最もわかりやすいのが、「数量限定」の戦術です。
例えば、「この車は国内に5台しか残っていません」といった情報には、消費者に商品の希少性を信じ込ませ、それによって商品価値を高めようとする目的があります。
また、ビットコイン(BTC)は法定通貨と違い、発行上限枚数を約2100万枚にあらかじめ設定している点で、希少性の原理をうまく使っているといえます(ちなみに、イーサリアムは発行枚数の上限なし、リップルは1000億枚)。
他にも「最終期限」という戦術があります。これは、客が商品を手にする機会に対して、時間制限を設けるものです。
時間が制限されていると、「今すぐに買わないと、二度と買えなくなるかもしれない!」と考えてしまいます。こうして人はしばしば、大して関心もないことを行ったり、必要ないものを買ったりしてしまうのです。
仮想通貨のICO(イニシャル・コイン・オファリング)も販売期間を限定していることから、最終期限という戦術を活用したものといえるでしょう。
最近実施されたICOの中では、特にmetronome(MTN)が最終期限の戦術をうまく使っていました。というのもこのmetoronom、7日間のICO期間中、時間が進むごとに購入金額がどんどん下がるという独自のオークション方式を採用していたからです(トークンセールは今年6月に終了)。
時間が経てば安く買えるけれど、それまでに売り切れてしまうかもしれない…という、人の心理をうまく突いたものでした。プロジェクトの成否はさておき、このオークション方式をICOに導入したあたり、同社には優秀な方々が集まっているのかなと感じました。
では、この希少性の誘惑に、どうすれば打ち勝てるのでしょうか?
著者のロバート・D・チャルディーニも、希少性に理性で対抗することは難しいといいます。それが、思考を困難にしてしまうような情動を引き起こす性質を持っているからです。
その上で、希少性を含むような状況では、頭にカッと血が上ってしまわないように注意することを心がけるべきだと述べています。
もし、一旦血が上ってしまったなら、まず興奮を静め、次に「なぜそれが欲しいのか」と自らに問いかけることがカギになります。冷静に見つめて、それでも必要なら購入すればよいし、手に入れることが目的になってしまっていると感じたら、その時は見送ることが吉かと思います。
「期間限定」の商品と出会った時には、反射的にカゴに入れるのではなく、「なんでこの商品が欲しいんだろう?」と自問してみると、案外無駄遣いを減らすことができるかと思います。心当たりがある方は、ぜひ一度お試しください。
ではまたー。
返報性のルール
→【100】なぜ、親切にされるとお返ししたくなるのか?
コミットメントと一貫性
→【099】重い腰はなぜ上がらないのか
社会的証明
→【102】なぜバラエティ番組では笑い声が入るのか?
好意のルール
→【103】人に好かれる「簡単なルール」とは?