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中国のCCIDがそろそろパブリックチェーン(仮想通貨?)の格付けを更新…の前に、格付けのFAQが設置されていました!

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  • kaz
  • 2018/06/19 15:51
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2018年5月17日に中国のCCID(中国电子信息产业发展研究院)が「全球公有链技术评估指数(Global Public Chain Assessment Index)」を公開して、1か月が経ちました。

(第1回インデックスの内容は日本語で読める情報がたくさん配信されていますが、僕もこちらで簡単にまとめました)

中国が「仮想通貨」の格付けを発表したということで話題になったこのインデックスですが、「毎月更新」という情報がありましたので、そろそろ更新されているかなと思い、公式ウェブサイトである「CCID赛迪区块链」をのぞいてみると…

まだ更新されていませんでした(^^;

(追記:2018年6月20日に更新されました!記事も書きました→「中国のCCIDが2回目のパブリックチェーンインデックスを発表しましたよ!」)

でも、この1か月のあいだに、いくつか興味深い情報が掲載されていましたので、第2回のインデックスが更新される前に、少しだけ書き留めておきたいと思います。

(ちなみに、CCIDのインデックスの背景については僕が以前書いたこちらの記事をご参照ください。

また、中国がこうした格付けをおこなう背景については、奥悉太さんこちらの記事が参考になります。また日本語訳はざっくりとした粗訳です。参考までにご覧ください(^^;)


もくじ

・新たに2つのプロジェクトを追加!

・評価に関するFAQが公開されています!

・評価の際に注意しているポイントはどこか?

・インデックス発表のタイミングは?リスト入りの方法は?

・これからの評価結果に注目です!


新たに2つのプロジェクトを追加!

今日、2018年6月19日にあらためて、インデックスの専用サイトである「CCID赛迪区块链」を見てみると、先月にはなかった「相关新闻(関連ニュース)」のページが新設されていました。

ここにいくつかのニュースが挙げられていたのですが、そのうちのひとつとして、「赛迪公有链技术评估第二期名单公布,EOS、星云链入选(CCIDパブリックチェーンアセスメント第二期リスト公布、EOS・Nebulas追加)」というニュースが挙げられていました!

EOSについては、日本語で読める情報もたくさん公開されていますが、公式ウェブサイトによれば、DApps(分散型アプリケーション)を作成するためのプラットフォーム構築を目指すプロジェクトのようです。

もともとはイーサリアムベースのブロックチェーン上で運用されていましたが、6月に入って独自チェーンに移行したようです。

が、いろいろと問題が起こっているようですね。(たとえば、コインテレグラフのこちらの記事

もうひとつ、星云链(Nebulas)についても「NAS」というトークンについての情報と合わせて日本語で読めるものが多くあります。

公式ウェブサイトによれば、分散型のブロックチェーン検索エンジンサービスやDAppsのストア、あるいはデジタルアセットウォレットなどを開発しているプロジェクトのようです。(僕もこちらの記事で少し触れました)

これら2つのパブリックチェーンがリストアップされたことによって、評価対象となるパブリックチェーンの種類は、28から30になりました。

以下のFAQにも触れられていますが、評価対象になるパブリックチェーンは今後、1か月あたり1~2種類ずつ増えていくことが想定されているようです。


評価に関するFAQが公開されています!

以上の情報と同じく、「相关新闻」のページには「赛迪公有链技术评估FAQ(CCIDパブリックチェーンアセスメントFAQ)」のリンクも貼られています。

リンク先に挙げられたFAQには、パブリックチェーンの評価について、以下の11のQuestionが挙げられ、それぞれに回答が示されています。

1.技术评估主要考虑的要素有什么?评估模型是怎样的?(アセスメントが主に考慮している要素は何か?評価モデルはどのようなものか?)
2.评估模型是在持续优化吗?优化的原则有哪些?(評価モデルは連蔵最適化であるのか?最適化の原則はなにか?)
3.评估模型会考虑公有链所社区活跃度或对应的数字货币市场价值?(評価モデルはパブリックチェーンのコミュニティの活発度や対応するデジタル貨幣の市場価値を考慮しうるのか?)
4.我对评估结果有异议,如何进行反馈?(評価結果に異議がある場合、どのように反論すればよいか?)
5.除了公有链技术评估指数,还会有其他的报告或成果发布吗?(パブリックチェーンアセスメントインデックス以外に、他のレポートや成果が発表されることはあるか?)
6.指数发布周期是每月固定日期发布吗?(インデックスの発表間隔は毎月決まった日に発表されるのか?)
7.我们也在开发自己的公有链,如何才能进入评估目录?(私たちも自分のパブリックチェーンを開発しているが、どのようにすれば評価リストに載せることができるのか?)
8.专家顾问在评估工作中发挥什么作用,名单会有变化吗?(専門顧問は評価作業においてどのような役割を果たし、名簿は変更されることがあるのか?)
9.如果能成为此项工作的合作伙伴?(どうすればこの作業のパートナーになれますか?)
10.我是一家做实体产业的公司,但是我想要利用公有链做一些项目,请问这个评估指数对本公司具体意义是什么?本公司应如何参考这份评估呢?(私は実体産業の会社をしていますが、パブリックチェーンを使ってプロジェクトをしたいと考えています。このアセスメントインデックスはわが社にどのような具体的意味がありますか?わが社はこのアセスメントをどのように参考にすればよいですか?)
11.我们公司开发了联盟链、私有链产品,可以进行评估吗?(わが社はコンソーシアムチェーン・プライベートチェーンの製品を開発しましたが、評価していただけますか?)

詳細にわたって問いと答えが挙げられていますが、ここでは大切だと思ったいくつかの問いに対する答えを見ていきたいと思います。


評価の際に注意しているポイントはどこか?

まずは問1については、やや詳細な答えが掲載されています。

第1回のインデックスが公表された時の記事にも書きましたが、それぞれのプロジェクトの評点は①「基础技术水平(Basic-tech)」、②「应用层级(Applicability)」、③「创新能力(Creativity)」の3分類で構成されています。

①については、まず機能的側面について、それぞれのプロジェクトの特色に即して、スマートコントラクト(智能合约)>特定の応用機能>デジタル貨幣のトランザクションサポートの順に点数が高いとのことで、さらにプライバシー保護機能のあるパブリックチェーンには加点されるようです。

このあたりにははっきりと、ブロックチェーンと仮想通貨を切り分ける視点が反映されていますね。

実際に、問3に対する答えとして、「我们的评估只关注于公有链的技术及其相关要素,不对其对应数字货币进行评估和分级,不构成投资建议。(私たちの評価はパブリックチェーンの技術と関連する要素について注目しているものであり、それらが対応しているデジタル貨幣についても評価やクラス分けをしているわけではなく、投資に対する提案をするものではない)」と書かれています。

仮想通貨への姿勢はここにも明確に表れていますね。

また、性能的には「网络吞吐量(ネット処理容量、理論値と実際値)」や「交易成本(トランザクションコスト)」などを踏まえているようです。

また、安全性という面では、アーキテクチャーの安全性、コンセンサスアルゴリズムの安全性、およびデジタル署名や口座保全に重点を置いているとのことです。

続いて、②については、アプリへの応用のしやすさや利用のしやすさ、ブロックチェーン上での開発サポートなどの点が踏まえられているようです。

また、③については、開発グループの規模や「代码(ソースコード)」の更新状況、その影響力などを考慮しているとのことです。

これまでは必ずしも詳しい評価基準が明示されていませんでしたが、詳細かつ広範にわたるポイントに注目して評価をおこなっていることがわかりますね。


インデックス発表のタイミングは?リスト入りの方法は?

問6の、インデックスの発表のタイミングについては、毎月発表するが発表日は固定されておらず、だいたい「16日から21日ごろ」に発表するとしています。

また、発表の一週間前にはその月の対象リストを公表するということです。リストの公表が6月13日となっているので、もしかすると20日には公表されるかもしれません。

さらに、問7に関連して、新たなプロジェクトがリスト入りする基準については、当面はCCIDの評価組織内部で選考することにしているようです。

そのペースは1回あたり1~2のプロジェクト追加を予定しているとのことです。

また、8月中にはそれぞれの開発団体がリスト入りを申請できるようなシステムを公開する予定だということですので、8月以降にリスト入りするプロジェクトが急激に増えるかもしれません。


これからの評価結果に注目です!

他にも、いろいろと興味深いFAQが挙げられていますが、とりあえず必要な情報としてはこのあたりかなと思いますので、ここまでに止めておきます。

まもなく第2回の評価結果が公表されると思いますが、この評価作業は毎月続けられていくので、各回の評価に一喜一憂するよりも、複数回評価されていくことで見えてくることがあるだろうと思います。

そうした傾向を見ることによって、この記事に挙げたような評価の深層を具体的にイメージすることができるのではないかなと思っています。

詳しい評価結果や分析については、他の方の記事が出るかもしれません(奥悉太さん、宜しくお願いします(^^;)が、僕のほうでも書けることは書いていきたいと思います。

いずれにせよ、世界的に中国のブロックチェーンへの対応は注目されているところだと思いますので、これからもコツコツと追いかけていきたいと思います!


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公開日:2018/06/19
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