こんばんは、ゆーこです。
約一カ月放置していたこちらですが、そろそろ決算書が出てくる時期なので久しぶりに更新です。
ALISチームが行なうICOの取り扱い含む仮想通貨の会計について、できるだけわかりやすく書いてみよう!という試みをしています。
このシリーズは記事と言うよりほぼ私の勉強ノートですが、合わせてお読みください(・ᵕ・)
なお、会計基準は日本のものを想定しています。
(前回までのまとめ)
仮想通貨についての会計基準は整備途中。
ALISが現在進行形で行なっている会計処理・税務処理にはメタップス社という上場会社に前例があるものの、結局手探りの状態。
財務諸表を作成するためには
・ICOでのイーサリアム受け取り
・ALISトークン発行
・ALISトークンのバーン
・ICOで受け取ったイーサリアムの売却
・期末時点で売却せず保有しているイーサリアムの評価
・期末時点で売却もバーンもせず保有しているALISトークンの評価
このあたりの取り扱いが問題になりそう・・・
はい、という訳で今回はタイトルでも少し触れた通り
「ICOでのイーサリアム受け取り」
そして「ALISトークン発行」
こちらの会計上の取り扱いについて見ていきたいと思います。
IPO(Initial Public Offering)
証券取引所へ上場し、取引所を介した株式の売り出しにより資金を調達する。
以前の記事でも少し取り上げましたが、ICOもIPOも資金調達の方法です。
IPOで資金を100万円集めたとすると、仕訳はこのようになります。
現預金 100 / 資本金 100
株式を発行して集まった現預金(資産)100万円をこれからする事業の元手(純資産)にしたよ!という意味を持ちます。
このように、資本を直接変動させるような取引を「資本取引」と言います。
ICO(Initial coin offering)
事業計画に賛同した出資者へのトークン販売により資金を調達する。
トークンを発行して集まったETH(資産)をこれからする事業の元手(純資産)にする、と。
IPOとの違いは発行するものが株式かトークンか、貰えるものがお金かイーサリアム(ETH)か、くらいなので仕訳はこんな感じにしたいですよね。感覚的には。
仮想通貨 100 / 資本金 100
「現物出資」という金銭以外の財産を持って出資に充てる方法があるのでそれに近いイメージでしょうか。
・・・でも、残念ながら仮想通貨やICOについては会社法や資金決済法、その他法律上の位置づけが明確に定まっておらず、直接当てはめられる会計基準も無いためこの仕訳をするのは難しそうです。
例えば、会計基準はこんな感じで
会社計算規則第十四条
募集株式を引き受ける者の募集を行う場合には、資本金等増加限度額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額に株式発行割合を乗じて得た額から第四号に掲げる額を減じて得た額とする。
一 法第二百八条第一項の規定により払込みを受けた金銭の額(次のイ又はロに掲げる場合における金銭にあっては、当該イ又はロに定める額)
「募集株式」を引き受けた場合の資本金についてしか書かれていません。
そもそも、会社法で定められている会社形態は「株式会社」と「持分会社(合名会社、合同会社、合資会社)」の二種類。
現在の法律では社員の出資や株式の発行以外の方法で資金を調達するという想定がされていないのです・・・
ICOでの資金調達の場合、IPOのように資本取引として取り扱うことは現状できないでしょう。
結論から言うと、「トークンの販売」として処理することになりそうです。
メタップス社の決算説明資料にはこのようにあります。青線部分にご注目ください。
※青線の後の箇所はALISの場合はスルーして良さそうなので説明省略します・・・
NANJの運営さんのツイートを遡ってみたところ、NANJやVIPSが1sat上場を行った際も、会計上はトークン売却により調達したビットコインの分の売上が発生したとして処理しているようです。
若干腑に落ちない感じはありますが、確かにETHを受け取ってALISトークンを渡しているという事実はあるので売却という見方もできると思います。
という訳で、資本取引として処理できない以上、ALISがトークンと引き換えにイーサリアムを得た際の仕訳もこのようになる可能性が高いでしょう。
仮想通貨 100/ 売上? 100
「売上」ではなく「トークン販売益」などの勘定科目を使用する可能性もあります。
現在の活動内容からすると、今後発表されるALISの決算書に「売上」とあった場合は何かの商品を売ったという訳ではなく、ALISトークンを販売したものであると考えてよさそうです。
※売上の後に「?」がついているのは”定款に無い事業から発生した収益は営業利益にすべきではない”という私の記憶に基づくものなのですが、ALIS社の定款が閲覧できないのと、ソースを思い出せないのでこのようになっております・・・ご存知の方、教えていただけると嬉しいです・・・
いかがでしたか?
簿記に触れたことがある方にとっては少し意外な結論だと思います。
とはいえ、他の仕訳をしている可能性も無いとは言えませんので予想が外れたらごめんなさい!
次回は「ALISトークンのバーン」あたりの会計処理について考えていく・・・かもしれません。もし先にALISの決算書が発表された場合はそちらの説明という形で記事にしてみます。
今回もお読みくださりありがとうございました♪
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