自分の記事を書くのと並行して、ALISに上がる他の方の記事も、いろいろと興味深く拝見しているのですが、今日もあちこち見て回っていると…
なんと!きぃさんが僕のことをピックアップしてくださっている!?→「過去記事2500記事を振り返った私が選ぶ もっと読みたいと思う書き手さん」
きぃさんの記事をいつも楽しみにしていて拝見しているということもあり、ただただ純粋に嬉しかったです!ありがとうございます!
記事中に挙げてくださった僕の過去記事にも書きましたが、いいね!を押してくださる方はもちろん、そうではない方々にも少なからず見ていただいているんだろうなあと感じていました。
そのことがこのような形であらためて実感させてもらえるとは…本当に嬉しい限りです。
他にも、yahooのリアルタイム検索を見るとツイッターで記事に言及してくださっている方もいらっしゃいました。ALISで言及してくださっている方も他にいらっしゃるでしょうか…みなさま含めて、あらためて御礼申し上げます。
これからもコツコツと記事を書き続けていきたいと思います(^^♪
(きぃさんへ。僕がALIS以外にはまったくブログもSNSもやっておらず、このような形でしか今のところお礼を伝えることができず、申し訳ありません。
それと、写真ですが、すべて自分で撮影したものを使っています。今まで撮りだめていて、これといった活用方法がなかった写真たちが、今ここで日の目を浴びています(^^;)
そんな嬉しい気持ちに任せて、今日もいろいろと書きたいことはたくさんあるのですが、少し基本に立ち返って、仮想通貨をめぐる言葉について書いてみたいと思います。
記事を書き始めた当初に書いたもののなかでも少し触れたことがあるのですが、「虚擬貨幣」と「加密貨幣」という表現について、日本語や英語と照らし合わせて考えてみると、いろいろ気になることが出てきましたので、整理も兼ねてまとめてみます。
一般的に、日本ではビットコインやアルトコインのことを総称して「仮想通貨」と呼んでいます。僕はこれを、英語の「cryptocurrency」の日本語訳だと思い込んでいました。
ところが、日本のwikipediaの「仮想通貨」の項目をみると、仮想通貨の英語表現は、「virtual currency」となっています。
確かに、たとえば「virtualreality(VR)」のことを「仮想現実」と訳すように、「仮想」というのは本来、英語の「virtual」のニュアンスを汲んだ表現なのだと思います。
では、なぜ、「cryptocurrency」が「仮想通貨」と呼ばれているのか。上述のwikipediaには、以下のように説明されています。
一般に、ビットコインやオルトコインなどは、英語圏ではCryptocurrency(暗号通貨)と括られるのに対し、日本では、資金決済に関する法律において「仮想通貨」の定義が導入されたことにより、仮想通貨と呼ばれる。
確かに、たとえば2016年に改正された「資金決済に関する法律」、いわゆる「資金決済法」などでは、「仮想通貨」という表現が用いられていますね。
ここで注目されるのは、英語の「cryptocurrency」には「暗号通貨」という表現があてられていることです。
確かに、wikipediaの「暗号通貨」の項目にはこの英語表現が使われていますし、「crypto」のニュアンスを正しく表現するのは「仮想」よりも「暗号」のほうでしょう。
そのうえで、「暗号通貨」の項目には、「暗号通貨」とはこのように表現されています。
暗号通貨とは、暗号理論を用いて取引の安全性の確保、およびその新たな発行の統制をする仮想通貨である
つまり、このwikipediaの位置づけに依るならば、仮想通貨というカテゴリーのなかに暗号通貨が含まれているという理解のようです。まずは、この図式を頭に留めておきたいと思います。
では、日本語の「仮想通貨」にあたる中国語表現はなんでしょうか。僕はこれまで「虚擬貨幣」という表現を主に使って記事を書いてきました。
繁体字版のwikipediaの「虚擬貨幣」の項目を見てみると、日本の「仮想通貨」と同様に、「virtualcurrency」を表現するものとして説明されています。
確かに、中国語でも日本語と同様、「virtualreality」のことを「虚擬實境」と表現したりするので、「虚擬」という表現は「virtual」のニュアンスを帯びているのだと思います。
このように整理をすると、「virtual」=「虚擬」=「仮想」ですから、「虚擬貨幣」=「仮想通貨」と捉えることにはなんの違和感もないのですが、僕がもともと思い込んでいたのは、「仮想通貨」=「虚擬通貨」=「cryptocurrency」?というつながりでした。
これは原則から判断するとねじれていることがわかります。ただ、僕自身も過去記事のなかで「crypto」のニュアンスは「暗号」という表現がピッタリということを書いたのですから、僕の頭の中もスッキリ整理ができていないところがあったのかもしれません(^^;
では、「cryptocurrency」の中国語表現は何かというと、これは「加密貨幣」と表現されます。繁体字版wikipediaにも、加密貨幣が「cryptocurrency」の訳語であるとして説明されています。
この項目では、加密貨幣について、以下のように説明されています。
加密貨幣是數位貨幣(或稱虛擬貨幣)的一種。(加密貨幣はデジタル貨幣(あるいは虚擬貨幣と呼ばれる)の一種である)
ここからも、日本語の仮想通貨/暗号通貨と同様に、「虚擬貨幣」というカテゴリーのなかに、「加密貨幣」が位置づけられているということがわかります。
ちなみに、日本のwikipediaの「仮想通貨」の項目に挙がっている、2012年10月にヨーロッパ中央銀行が刊行したVirtualCurrencySchemes.というレポートは、繁体字版wikipediaの「虚擬貨幣」の項目にも挙がっています。英語の文献ですが、これは「仮想通貨」を含めた通貨全般について学ぶための最良の教材のように感じます。
台湾でも「虚擬貨幣」と「加密貨幣」は区別して理解しなければなりませんよ、ということを説明する記事が挙がっていたりしています。→たとえば、こちら。
ただ、そのような記事がわざわざ書かれているということは、一般的にはこのふたつの用語は混同して使われているということの裏返しでもあると思います。
ざっくりと僕の印象で言えば、ビットコインやアルトコインにかかわる話をするときに、人文・社会的な意味あいで話をするときは「仮想通貨」/「虚擬貨幣」という言葉が使われ、技術的に厳密な話をするときは「暗号通貨」/「加密貨幣」という言葉が選ばれるように感じます。
ただ、台湾の場合はもう少し、「加密貨幣」の使用頻度が、日本の「暗号通貨」に比べて高いかなという印象です。なので、中華圏の情報を追うときには、「虚擬貨幣」と「加密貨幣」の両方を頭に入れて探るようにしています。
そういえば、SBIグループが開設予定の仮想通貨取引所は、「SBIバーチャルカレンシーズ」という名前でしたね。これはさすがに単なる混同ではなくて意図的なものだと思いますが、このあたりも社会通念としての「仮想通貨」と厳密な名称としての「暗号通貨」との対比を象徴しているように感じます。
僕の記事では基本的に、「仮想通貨」/「虚擬貨幣」という言葉を主に使います。僕自身が仮想通貨初心者だということもありますし、人文・社会的な文脈の話が多いということもあります。もちろん、僕には「暗号通貨」と使い分けを要するほど、技術的に厳密な話はできないということもあります(^^;
ただ、情報を集めるうえでは、いろいろな用語があるということを意識しながら、それぞれの言葉が含んでいるニュアンスを想像すると、より正確な情報を得ることができるのかなと思います。そのときに、英語・中国語・日本語の照合というのは、僕にとっては大変役立ちます。
これからも言葉のニュアンスを意識しながら、いろんな情報を追いかけていきたいと思います!
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仮想通貨周りの中国語表現については、こんな記事も書いています。
中国語で仮想通貨周りの表現を拾ってみました(仮想通貨、取引所)